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TVアニメ『BANANA FISH』平田広明さん&川田紳司さんスペシャル対談!マックスが持つ“繋がり”がこの物語を支えている
2018.08.25 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
発売中のPASH!9月号では放送中のTVアニメ『BANANA FISH』の特集を掲載しています。ここでは、平田広明さん(マックス・ロボ役)と川田紳司さん(伊部俊一役)によるスペシャル対談の一部をご紹介。
平田広明さん&川田紳司さんスペシャル対談
──初めに原作を読んだ際の率直な感想からお聞かせください。
川田 僕は伊部役をいただいて初めて原作を拝読した経緯から、伊部の立つ保護者的な目線で読んでしまったところもあるのですが、男性目線で思ったのは、切ない物語だな…でした。ドキドキワクワク期待するよりも、何となく未来の暗さが見え隠れするじゃないですか。だから何でアッシュはこんな目に合うんだ、かわいそうに…という同情が湧きました。
平田 僕もお話をいただくまでこの作品を知らなかったのですが、読んでみて「これ、少女漫画だよね…?」と思いました。同じノイタミナ枠で2作前の『恋は雨上がりのように』に出演させていただいたんですが、あれは女子高生の恋模様を描いた青年誌原作の作品なんですよね。
そのとき、「男の子の漫画を男性誌で、女の子の漫画は女性誌で」、という考え方がもう古いのかなと感じて、ちょっといろいろ自分のなかで調整しなければと一生懸命現代についていこうとしていたところ、今度はこの『BANANA FISH』が少女漫画で。
川田 しかも30年前の作品ですもんね。
平田 そうなんだよね。だけど、ハードボイルドの基本的な要素はきちんと出ているなと感じます。ゴルツィネを筆頭に裏社会の権力や欲が出てくるなかで、そこから必死に逃れようとしているアッシュが逆にどんどん巻き込まれていってしまう、という作り方が面白いですね。
──おふたりが演じるマックス・ロボと伊部俊一の人物像を教えてください。
平田 まず最初に『BANANA FISH』というタイトルと、「マックス・ロボ」という役名から、こんな感じの(ロボットの動きをする)、でかいロボットが出てくるのかと想像してました、ウィーン、ガシャコーン。ウィーン、ガシャコーン。
川田 あはは!(笑)
平田 マックスとグリフィンの関係性は詳細には描かれていませんが、戦地で育んだ友情というのはかなり固いものだと思います。そんなグリフィンへの想いを抱えた上でマックスはアッシュと出会うわけなので、そりゃあマックスとしては逃れられないだろうなと思いました。元陸軍軍人だったという設定は、僕自身忘れがちなところではあるんですけど、正義感が強くて、人間臭い人ですよね。
これは伊部もそうなんだろうなと感じます。性格が似ているとは言いませんが、物語中の役割は似ている部分がありますから。おせっかいだけど気弱で、よせばいいのに巻き込まれちゃって。でも伊部は英二の保護者だし、仕方ないんだよな。マックスはジャーナリストとしての性から来る正義感もあるんでしょう。そんな彼の魅力がどこまで出るかは、今後の僕の頑張り次第でしょうね。
川田 平田さんのお話を聞いていて思ったんですけど、作品の主人公はアッシュと英二になりますが、この物語を支えているのはマックスな気がして。
平田 そういうのやめてくれる〜?
川田 (笑)。この人のまっすぐさとか明るさ、正直さ、父性のようなもの…それが物語を支えているのかなと今思いました。なぜならば、マックスは伊部と友人で、チャーリーとも仲良しで、グリフィンとも親友で…つまりいたるところで作中の人物と繋がっているんです。
そんな彼の魅力的な人柄が、ひとつ大事なキーワードなのかなと。僕の伊部の人物像は、原作のアナザーストーリーを読むことで出来上がりました。なぜここまで英二のそばにいるのかということにも納得できましたし、そこを支えにしていますね。
平田 あれいいよな〜? マックスは番外編ないもの。
川田 いいですよね! しかも英二の未来も描かれていて、ネタバレになるので言明はしませんが、彼の選んだ道に救われた気持ちになりました。本編は苦しい切ないと思いながら読み切ったけれど、アナザーストーリーを読んで「よかった…!」とやっと思えた気がします。
伊部はずっと英二に付いていくわけですが、元々英二に立ち直ってほしくてニューヨークまで連れてきて、兄弟関係のようなものが芽生えていました。それがいろいろと巻き込まれていくなかで、責任感を覚えたんでしょうね。もう英二を止められないと分かると、腹を決めますし。でもそれができたのも、マックスという親友がいてくれたからこそなんじゃないかなと。
──最後にファンの皆様へメッセージをお願いいたします!
川田 伊部は、英二とアッシュの歩んでいく未来を見守るつもりでいますので、自分もそのつもりでおります。結末は分かってはいますが、1話1話の台本にあるストーリーにズッポリ埋もれて、伊部なりにこの世界を生き、演じていけたらと思いますので、彼らの物語をみなさん一緒に見届けていきましょう。
平田 この先どんなスピード感で進んでいくのか僕も分からないのですが、監督やシリーズ構成の方はどこを切って詰めるか悩みながらエキスをギュッと濃縮していくはずです。息つく間のない展開になると思いますので、アニメから入った方はもちろん、原作ファンの方もどんなアニメになるのかどうぞご期待ください。
また、今後も濃いキャラが出てくるのでそれも楽しみです。特にブランカは、存在感あるのに叫ばないからいいよな〜…と思いますよ。俺、いい歳こいて叫んでばっかりだからな!? ちきしょ〜。
川田 (笑)。
平田 マックスはマックスらしく、大きな力に巻き込まれていく若いふたりを見守り、サポートする役割として、人間臭さを出せたらいいなと思います。お茶目になりすぎない程度に。でも時々監督の目を盗んだりして…。今日のマックスお茶目だったなと感じたら、「平田、監督に隠れてよくやった!」と思っていただければ幸いです。
(※PASH!2018年9月号より抜粋)
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DATA
■『BANANA FISH』
公式サイト:http://bananafish.tv/
公式Twitter:@bananafish_tv
ON AIR:
フジテレビ”ノイタミナ”にて毎週木曜24:55より放送中
ほか各局でも放送
配信:
Amazon Prime Video にて日本・海外独占配信
第1話:日本では7月4日(水)24:00頃より先行配信
第2話以降:日本では毎話フジテレビ放送開始1時間後より配信予定
STAFF:
原作=吉田秋生「BANANA FISH」(小学館フラワーコミックス刊)
監督=内海紘子
シリーズ構成=瀬古浩司
キャラクターデザイン=林 明美
総作画監督=山田 歩・鎌田晋平・岸友洋
ハードボイルド監修=久木晃嗣
色彩設計=鎌田千賀子
美術監督=水谷利春
撮影監督=淡輪雄介
編集=奥田浩史
音楽=大沢伸一
音響監督=山田 陽
アニメーション制作=MAPPA
CAST:
アッシュ・リンクス=内田雄馬
奥村英二=野島健児
マックス・ロボ=平田広明
ディノ・ゴルツィネ=石塚運昇
ショーター・ウォン=古川 慎
フレデリック・オーサー=細谷佳正
伊部俊一=川田紳司
ユーシス=福山 潤
ブランカ=森川智之
シン・スウ・リン=千葉翔也
ラオ・イェン・タイ=斉藤壮馬
チャールズ・ディキンソン=上田燿司
アントニオ・ジェンキンズ=小形 満
スキップ=村瀬 歩
あらすじ:
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ。ストリートギャングを束ねる彼は手下に殺された男が死ぬ間際に“バナナフィッシュ”という謎の言葉を発するのを聞く。時を同じくして、カメラマンの助手として取材にやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。二人はともに“バナナフィッシュ”の謎を追い求めることに──。
©吉田秋生・小学館/Project BANANA FISH
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