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Netflixだからこそできたアニメ化。近未来サバイバルストーリー『7SEEDS』アニメ化の経緯を直撃!
2019.07.04 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
田村由美さんが描く累計600万部超(デジタル含む)の近未来サバイバルストーリー『7SEEDS』が、NETFLIXにて6月28日より全世界で独占配信が開始されました。
凶暴化した動物や昆虫が巣くう、未開のジャングルが広がる島で目を覚ました若者たち。災厄により変わり果てた世界で、若者たちは時にぶつかりながらも、力を合わせて懸命に生きていく…。
そんな、死と隣り合わせのサバイバル生活を描く本作が、NETFLIXにてアニメ化! 全35巻にもおよぶ、大人気長編サバイバルストーリーのアニメ化の経緯は? 星野プロデューサーに気になるお話を伺いました!
イントロダクション
少女ナツが目を覚ますと、辺りは海。
突然荒れ狂う海に放り出された彼女は、嵐と蟬丸、牡丹と共に島へと辿り着く。その島には未開のジャングルが広がり、巨大化した植物や、凶暴化した動物や昆虫に次々と襲われ、死と隣り合わせのサバイバル生活へと放り込まれる。
そんな中、ガイドだと名乗る人物より信じられない計画の話を聞かされる。それは、人類絶滅を回避するため、若く健康な人間を冷凍保存し、災厄が過ぎ去った後の世界に人類の種を残そうという壮大な計画”7SEEDS計画”の話だった。彼女らはその計画に選ばれた人間なのだと初めて知り愕然とするのであった。
“7SEEDS計画”に選ばれた若者たちは変わり果てた世界で、過酷な環境にさらされながらも懸命に生きてゆく。
アニメ化までの構想は約10年!? Netflixだからできたアニメ化
――人気漫画『7SEEDS』が、このタイミングでアニメ化された経緯を教えてください。
アニメ化の企画は以前よりあり、僕自身最初に原作を読ませていただいたのは2008年頃でした。田村先生の『BASARA』も95年頃に読んでいて、アニメ化したいと思っていたので、個人的にご縁を感じています。
今の形で具体的に弊社の制作部の女性から企画が上がったのが2013年秋で、すぐに小学館さんに連絡してお話を聞いていただき、先生から進めて良い旨ご回答をいただいたのがその年の12月だったと記憶しています。
ただ、大作であるが故に既存のアニメのスキームで進めるのが難しく、一度はアニメ化を断念し掛けたのですが、2015年9月から日本でサービスを開始されたNetflixさんに持ち込み、何度かミーティングする中でGOサインをいただけました。
国内のみならず海外の方にも楽しんでいただけるストーリーだと信じておりますので、ベストなスキームでアニメ化できたと思います。
――16年にも及ぶ長期連載の大作ですが、原作を読んだ時の感想を教えてください。
連載ではなくコミックスで最初にまとめて読んだのが龍宮や夏のAチームの過去エピソードまでの巻だったので、かなりショックを受けました。この後どんな展開になるんだろう、早く先を読みたい!と強く思いました。
最終回を読んだ際にはそれまでの伏線が見事に回収されていて、先生は連載を開始された当初から最終話までのお話を考えられていたのか!?ただただ凄い!!と驚きました。
――変わり果てた未来の日本で生き抜いていく若者の苦悩や葛藤を描くテーマ性の強い作品ですが、アニメの制作にあたって特に大切にしている部分を教えてください。
キャラクターの心情は大切にしたいと思いました。ただ、話数の制約から全ての登場人物をきちんと描くのは難しかったので、焦点を当てるキャラクターを絞る形となりました。
極限状態などを描きはしましたが、仲間を信じて協力し合い、頑張って生きていく、という普遍的なお話だと個人的には思っています。
――原作者の田村由美さんから、何かご要望はありましたか?
最初の打合せの際に、マンガとアニメは違う媒体なので、デザインを無理にマンガ通りする必要はなく、また先生の絵そのものが難しいので、アニメは視聴者に受け入れられやすいように変えて結構ですとおっしゃっていただきました。
なので、本当にキャラクターデザインは原作から少々変えさせていただいたので、原作のファンの方々がどんな反応されるか、ドキドキしています。
その後、先生にはシナリオや絵コンテの段階、更にはアフレコにもしばしば同席していただき細かくご指摘いただいておりましたので、キャストさん含め皆が安心して作業が進められて感謝しています。
――巻数が多く、構成の都合上カットしなければいけない部分もあったとは思いますが、構成で意識した点、苦労した点はありますか?
シリーズ構成については企画を立ち上げてくれた担当に任せっぱなしだったのですが(笑)、さすがのベテラン脚本家の待田堂子さんも苦労されたのではと思っています。
今の形に落ち着く前は、時系列順に夏Aチームの話から描く案や、世界観を端的に説明するために冬チームの話から描く案などもありました。
各チーム、キャラクターが日本中あちこち移動するので、アニメでストーリーを凝縮する中でそこら辺の整合性を取るのも少々苦労しました。
――それぞれのチームに個性的なキャラクターがそろっていますが、特に注目してほしいキャラクターやチームとその理由を教えてください。
皆それぞれ魅力的なので一人選ぶのは難しいですが、キャラクターとしては夏Bのナツに注目してほしいです。少しずつ成長していくキャラクターです。思わず応援したくなる。
そんなナツにからむ蝉丸もまた少しずつ変わっていくところがいいですね。そんな訳でチームでは夏Bです。キャストさんもおっしゃっていましたが、あんな過酷な状況の中で楽しくて素敵です。
――実際にできあがった作品をご覧になった感想を教えてください。
感無量ですね。何といっても「構想(約)10年!」ですので。(笑)
――Netflixでの独占配信となる作品ですが、TVアニメとネット配信アニメで、制作における違いはありますか?
TVアニメでは出来ない表現や放送尺の制限が無い事は作り手側からすると自由度があり、よりクリエイターのやりたい事を存分に視聴者に伝えられると思います。
一方で、TVアニメの場合によくある「何かあったらDVDリテイクで」というのはありえず、Netflixさんへの納品版が最終版であり完成版というのが、制作現場にとっては初めての試みでした。
IMFというデータで納品する等、技術的にも初めてでしたので最初はかなり試行錯誤でした。
――配信をご覧になった、もしくはこれからご覧になるファンへ、メッセージをお願いします。
Netflixさんでは全話一気に見ることができますので、是非最後までご覧下さい! 皆さんの応援がたくさんいただけるようなら、更にシリーズ化して原作の最終話までアニメ化できるかもしれません!
DATA
■『7SEEDS』
Netflix『7SEEDS』ページ:netflix.com/7seeds
配信情報:2019年6月28日よりNetflixにて全世界独占配信中
原作:田村由美『7SEEDS』(小学館「flowersフラワーコミックスα」刊)
STAFF:
監督=高橋幸雄
シリーズ構成=待田堂子
キャラクターデザイン=佐藤陽子
アニメーション制作=GONZO
CAST:
岩清水ナツ=東山奈央
青田 嵐=福山 潤
麻井蟬丸=小西克幸
早乙女牡丹=沢海陽子
天道まつり=阿澄佳奈
守宮ちまき=石田彰
草刈螢=悠木 碧
百舌=井上和彦
末黒野花=日笠陽子
雪間ハル=野島裕史
角又万作=置鮎龍太郎
新草ひばり=喜多村英梨
鯛網ちさ=能登麻美子
野火桃太郎=広橋 涼
甘茶藤子=伊藤 静
柳 踏青=江川央生
猪垣 蘭=浅野まゆみ
稲架秋ヲ=三宅健太
鹿野くるみ=加隈亜衣
荻原流星=石川界人
梨本 茜=小松未可子
八巻朔也=阪口大助
刈田葉月=星野貴紀
十六夜良夜=津田健次郎
新巻鷹弘=佐々木 望
鮫島吹雪=野島健児
神楽坂美鶴=桑島法子
安居=小野賢章
涼=櫻井孝宏
小瑠璃=千菅春香
あゆ=嶋村 侑
鷭=寺島拓篤
源五郎=佐藤拓也
虹子=皆川純子
卯浪=菅原正志
貴士=速水 奨
茨木真亜久=興津和幸
神酒マリア=寿美菜子
©2019 田村由美・小学館/7SEEDS Project
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