【SDGs】御坂美琴の超電磁砲は超再生可能エネルギー？ 電力王も夢じゃない!?

　まだまだ暑い夏が続きますね……。筆者はガンガンに涼しいエアコンの冷房の前で原稿を書いています。冬は冬でコタツに潜りガンガンに暖房をかけながら原稿を書いていると……月末の電気料金の請求書はとんでもない金額になっています……。

　冷暖房だけではなく、その他の電化製品も含めて改めて電気ってよく使うので、いっそ自家発電できればいいのにと思うのですが、太陽光発電システムを導入するにも結構な初期費用と場所が必要です。

　しかし、アニメ観賞に快適な環境は必須です。と、ふと眼にしたアニメ作品に閃きを感じました。それは『とある科学の超電磁砲（レ－ルガン）』!!

　主人公の御坂美琴の有する発電系能力“超電磁砲（レールガン）”は最高の発電能力で、他の同系統能力者とは別格の強さを誇り、その力は巡洋艦に匹敵するとも評されています。

　そして、御坂美琴の能力はなんと最大10億ボルトの電圧の電撃だそうです。想像もつかない電圧ですが……気になる……ならばその能力を利用して電気を売ればどれぐらいになるのだろう？

『10億ボルト？ ってその電気を売ったらスゴイことになるのでは？』
そう思い調べてみました。

【前提条件】
・作中描写が雷の現象に似ていることから、電流の条件は雷のデータを参考とする。発生時間と電圧は作中描写から判断（時間：1秒/電圧：10億V/電流：20万A）。
・売却価格は“美琴が発生させられる電力（kWh）÷1カ月における1世帯の平均電気使用量×1カ月の平均電気料金”とする
・平均電気使用量および平均電気料金は、東京電力“従量電灯B 40A”プラン、4人世帯、12月のデータを使用（平均電気使用量：368kWh/平均電気料金：10,714円）。
・小数点2位以下四捨五入。世帯数のみ少数点以下切り捨て。

　まずは、美琴が発生させられる電力（kWh）と1カ月における1世帯の平均電気使用量を算出し、1回の発電で賄える世帯数を算出します。

10億V×20万A＝200兆W＝2000憶kW
2000憶kW×1秒＝2000憶kWs
2000憶kW÷60÷60＝5555万5555.56kWh
5555万5555.56kWh÷368kwh＝15万0966世帯

　1回の発電で賄える世帯数が算出できました。これに1カ月の平均電気料金をかけることで1回の発電における売り上げが算出できます。

15万0966世帯×1万0714円＝16億1744万9724円

　1回の発電でこれだけの売り上げです……。美琴の限界は体調にもよりますが10回まで連射できるとのことで、体調面を考慮して半分の5回/日発電した場合は

80億8724万8620円/日

　これを、学業を優先しつつ15日/月のアルバイトという形で稼働させてみると

1213億0872万9300円/月

　これを1年（12カ月）続けると

1兆4557億0475万1600円/年

　如何でしょうか？

　ちなみに東京電力の1日の最大電力は夏場でおよそ5,500万kW、冬場でおよそ5,000万kWです。今回の条件ならば、美琴はこれをたった1発の電撃で賄える最大電力を所持している計算になります。正に常盤台のエ－ス、エレクトロマスタ－、いや“御坂美琴発電所”と言っても過言ではないでしょう……。

　唯一欠点を上げるとすれば、美琴の最大出力に耐えられる充電機材がないという点でしょう。今回の条件で実際に発電に使う場合、発電時間が短いためコンデンサーやキャパシタ、蓄電池といった電気を蓄えられる部品に充電する形となります。

　ですが、現状10億ボルトに耐えきれる部品や装置は存在しないのです（数十万Vくらいが現在の限界だとか）。美琴が自分の能力で発電を行う場合は、10億ボルトに耐えたり、耐久可能なボルト数まで変圧したりできる充電池を開発するか、それを可能にする能力者を見つける必要がありそうです……。

　しかし、雷で充電を行うプロジェクトは存在していますし、美琴はまだ中学生で成長過程ですから、将来的には起業して自家発電ならぬ自己発電で億万長者になるのも決して夢ではないのではないでしょうか？　2021年の長者番付で第1位は孫正義氏で4兆8920億円です、美琴が名を連ねるのも、そう遠くはないのかもしれないですね！

■参考文献及び資料
テレビ　【とある科学の超電磁砲】
ウィキペディア　【御坂美琴】
スマートでんきコラム【（気になる）うちの電気代ってこんなに高いの？電気料金の平均】
東京電力ホ－ルディングス【最大電力（1日）】
Forbes【日本長者番付2021】
誘雷・雷充電技術｜NTT宇宙環境エネルギー研究所｜NTT R＆D Website
JLPA-日本雷保護システム工業会－公式ホームページ

（※画像は『とある科学の超電磁砲T』公式サイトより）
©2018 鎌池和馬／冬川基／ＫＡＤＯＫＡＷＡ／PROJECT-RAILGUN T

文・内海　健（よしもとライターズアカデミーウエスト）

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