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ないアル修羅、種もみ事件…『北斗の拳』の「ついツッコミたくなる場面4選」

2023.09.30 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

 2023年で連載開始から40周年を迎えた『北斗の拳』(集英社)。北斗神拳伝承者のケンシロウが悪党たちの経絡秘孔を突き、数秒後に顏が爆発するという展開は有名ですよね。他にも仲間の死や兄弟対決などシリアスな展開が多いですが、そんななかでも「笑えるシーン」が多いのも魅力のひとつ。そこで今回は『北斗の拳』に登場した、ついツッコミをしたくなってしまう場面をご紹介。

北斗

北斗の拳

まるで会話が漫才!? 独特な口癖が悲劇を招いた“ないアル修羅”

 最初に取り上げるのは、『北斗の拳』20巻の「はるかなる呼び声!の巻」に登場した雑魚キャラの修羅とケンシロウの会話です。

 この時のケンシロウは修羅の国を統治している男の1人・ハンを探しており、部下であろうこの修羅に「ハンの居城はどこだ!?」と問い詰めます。すると「しっ知らないアルよ!!」と“中国人が日本語を喋る際の特有な訛り”で返答し、さらにケンシロウは暴行を加えながら「あるのかないのかどっちなんだ」と冷静にツッコミ。最後には「ないないあるよ」「ないあるないあるないあるないあるない」と繰り返し、ボコンという破裂音ともに体が爆発して死亡します。

 独特な喋り方が招いた死であり、そのおもしろおかしいやり取りが注目を集めた同場面。ファンの間で“ないアル修羅”と呼ばれているようです。ちなみに“ないアル修羅”は「知らないアル」「ないある」としか言ってないのに、ケンシロウは彼が爆発した直後のコマで「あれか…」とハンの居城を見つけていました。悪さをしていた修羅かもしれませんが、変わった口癖だけで殺されたと思うと不憫でならないですね…。

懸命に守ってきた“種もみ”を一瞬で無駄にするサイコパスなケンシロウ

 『北斗の拳』といえば悪党によって殺された人の無念をケンシロウが晴らすという展開が多いですが、漫画の序盤では「これってどうなの?」と考えさせられる場面があります。

 『北斗の拳』1巻には食糧難から脱出するため、半年もかけて入手した種もみを村に届けようとする老人・ミスミが登場。しかしシンの部下であるスペードたちに2度も襲われたことによって、その願いが実現することはありませんでした。そしてミスミは、種もみをケンシロウに託して絶命します。

 引き継いだケンシロウは、てっきりミスミの村に畑を耕して種もみを蒔くか、もしくは村の人に委ねるのかと思いきや、ミスミの墓に種もみをすべて蒔いてしまいます。ケンシロウの行動に対し、バットは「そんな所にまいたって実るわけねえだろ」と的確にツッコミ。続けてケンシロウは「実るさ…」「下にあの老人が眠っている」と話していることから、老人の死体を肥料代わりにしようと考えていたのでしょうか。

 この“種もみ事件”はネット上でもたびたび話題になり、ケンシロウに対して「老人の努力を一瞬で無駄にしてしまうケンシロウはサイコパス」「せめて畑を耕してから種もみを植えなきゃ…」といったコメントが多数寄せられていました。

 ちなみに北海道北斗市にある『函館北斗 澤田米穀店』は、「種モミじいさん」とコラボした商品『北斗の拳パッケージ 北斗産ふっくりんこの玄米』を発売中。まさか主要キャラではないミスミの種もみを商品化しているとは驚きですね。

トキの早とちり!? 核シェルターの“あとひとりは余裕で入れた”問題

 『北斗の拳』を語るうえで欠かせない存在の1人である北斗4兄弟の次男・トキ。かなりの実力者で北斗神拳伝承者の最有力候補でしたが、核戦争による“死の灰”を浴びたことによって伝承者の道を諦めます。それがなければケンシロウではなくトキが北斗神拳伝承者になっていた可能性が高いため、死の灰を浴びたことはとても悔やまれる出来事です。

 しかし、つい「おかしいでしょ!」とツッコミを入れたくなってしまう場面が『北斗の拳』6巻に登場。ケンシロウが回想する場面では、ユリアとケンシロウ、トキの3人が死の灰から逃れるため、核シェルターに避難するシーンが描かれます。既にたくさんの子どもでいっぱいになっており、中にいた女性が「どうつめてもふたりまでです!!」とケンシロウたちに伝えました。

 あとふたりしか入れない状況…そのとき、トキはケンシロウとユリアを突き飛ばして扉を閉め、自らが犠牲になることを決意。ここまで読めば男気のあるトキの勇敢なシーンなのですが、問題の場面は中に閉じ込められたユリアとケンシロウが描かれた時です。

 たくさんの子どもたちが周りにいるものの、明らかにもう1人くらいなら入れるスペースが。同場面にツッコミを入れるファンは多く、「もっと肩を寄せ合ったり、肩車すれば余裕で入れたでしょ!」「トキの早とちりさえなければ中に入れたかもしれない」などの声が相次いでいます。

 ツッコミが続出した場面に対して制作側もおかしいと思ったのか、アニメ版では“扉の故障によって外から強い力をかけないとしまらない”という設定に。また一説によると、「あれはシェルターではなくてシェルターに通ずるエレベーターだった」という意見も囁かれているようです。

 エレベーター説が本当であれば、体重オーバーになることを避けるために女性が「2人まで」と発言したのも納得できます。ただ、なぜそこまで明確に「2人まで」と把握できていたのかという疑問が残ってしまいますが、どちらによせトキは死の灰を避けることはできなかったと考えるべきでしょう。

クールなケンシロウが直立不動でぐるぐると回転…

 北斗神拳伝承者であるケンシロウは、作中で北斗百裂拳や天破活殺などさまざまな奥義を繰り出し、強敵たちを倒してきました。つい真似したくなるようなかっこよさもあり、記憶の残っている技も多いですよね。

 しかし実は、ファンから「滑稽すぎる!」とツッコミが多い技が存在します。それはコミック22巻の『修羅の国』編で描かれた、ケンシロウとケンシロウの実兄であるヒョウの対決で登場した技です。

 特に技名はないようなのですが、ケンシロウは「はあ!!」と叫びながら宙に浮いて直立不動の状態でぐるぐると回り始めました。激しく回転することによって、ヒョウが発動した相手の身動きを封じる「暗琉天破」を回避。ピンチを脱出した凄技ですが、真っすぐ立った状態のケンシロウが高速でぐるぐる回る様子にツッコミが続出しました。

 ネット上には「決め顔からの高速回転を見た時は笑いが止まらなくなった」「アニメ版では高速過ぎてケンシロウの姿はよくわからなかったけど、やはり原作の直立不動のケンシロウはいつ見てもヤバい(笑)」などのコメントが上がっています。「暗琉天破」は魔闘気によって無重力空間を作る技なので、遠心力によって自らの位置を確保するという流れは理解できますが、クールなケンシロウの“ぐるぐる”はあまりにも滑稽過ぎましたね…。

 意外にもツッコミどころが満載だった『北斗の拳』。「なぜこうなったのか」という考察を交えながら読み直してみると、新たな発見があるかもしれませんね。

文・LUIS FIELD

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