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『PandoraHearts(パンドラハーツ)×ヴァニタスの手記 コラボレーションカフェ』スタッフインタビュー
2018.05.13 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
メニューは当初、全体的に“血”をイメージしていた!? コラボカフェ開催までの軌跡を追う!
現在、池袋アニぱらCAFÉで開催中の『PandoraHearts(パンドラハーツ)×ヴァニタスの手記(カルテ)コラボレーションカフェ』。美麗な内装や思わずクスりときてしまう展示に加え、絶品フード&ドリンクに舌鼓を打てるカフェになっています。
今回、『PandoraHearts×ヴァニタスの手記コラボレーションカフェ』の企画・制作に関わっているスタッフの方々にインタビューを実施。コラボカフェ開催の経緯から、原作者・望月 淳先生のアイディアが反映されたフード&ドリンクについてなどをじっくりと伺いました!
【インタビュー対象者】
スクウェア・エニックス カフェ企画者:大久保果菜さん
グラウディングラボ カフェ企画者:安藤美奈子さん
アンドモワ カフェ企画者:大岡俊成さん
アンドモワ カフェメニュー考案者:湯浅温之さん
企画立ち上がりからメニュー考案の裏話まで、貴重なお話が飛び出しました♪
――『PandoraHearts×ヴァニタスの手記 コラボレーションカフェ』は、どのようにして開催されることになったのでしょうか?
大久保:2017年11月に荒川 弘先生の『鋼の錬金術師』コラボカフェをこのメンバーで展開した際に、ファンの方々からご好評をいただきまして、“コラボカフェをまたやりたい”という思いがありました。
次はどのタイトルで展開しようか?と考えた時に“コラボカフェにくるお客様はやはり女性の方が多い”ということに注目しまして、弊社のなかで女性の方に人気がある作品『PandoraHearts』、『ヴァニタスの手記』で展開できないかと考えました。弊社の担当編集者と相談し快諾してもらえたので、カフェの方に正式に企画打診したところ「ぜひ!」と言っていただき、開催に繋がりました。
――開催するに当たって、決め手になったのは作品のどういったところでしょうか?
大久保:女性に人気のある作品というのが1番大きいですね。『PandoraHearts』は連載が終わって3年程経ちますが根強いファンに支えられていますし、『ヴァニタスの手記』という望月先生の新しい作品をもっと知ってほしい気持ちもあったので、両作品で開催することにしました。コラボカフェはファンの方に楽しんでいただけるイベントですし、2作品を同時に開催するという企画もなかなかないので、良い機会をいただけたなと思っています。
――カフェがオープンしてからのファンの方々からの反応はいかがでしたか?
大久保:喜びと驚きのご意見を多数いただけていて、うれしい限りです。SNSを拝見していても「カフェの開催をありがとうございます!」、「すごく楽しいです!」という反応ばかりで。『PandoraHearts』についての反響も大きく、連載が終わった今、またこうして登場するキャラクターたちの新しい笑顔を観ることができて幸せだというコメントは数多くいただいていて、私たちとしても嬉しい限りです。
それに、来店してくださった方が「楽しかった」、「行ってよかった」とレポートをあげてくださっているんです。コラボカフェの開催から現在まで、途絶えることなく情報を発信していただけているのはありがたいですね。
――コラボカフェの開催が決まった時の望月先生の反応はいかがでしたか?
大久保:とても喜んでくれていました。日頃から望月先生と集まっては「あれしたい!」、「これしたい!」というワクワク会議をしているんですが、コラボカフェの開催が決まってからは実施に向けて、熱量の高い会議が続きました。
ときには、時間を忘れるくらい話し合いをしたこともありました(笑)。それくらい先生も今回のコラボカフェを楽しみにしてくださっていて、イラストをたくさん描いていただいたり、メニューの監修にもかかわってくださいました。
――先生から何か要望や提案はありましたか?
大久保:机の上にあるキャラクターのウェルカムPOPは先生のアイディアで生まれたものです。全部で17種類あるのですが、コメントもすべて先生が考えてくださいました。
安藤:お客様も全部のキャラクターを見たいと思ってくださっているみたいで、他のテーブルに移動しては「ちょっと写真撮らせていただいていいですか?」ってコミュニケーションをとられている方も多いです。
大岡:1名で来店される方が多いですが、お客様同士がコミュニケーションを取り合って楽しそうにカフェを楽しんでいただいている姿をよくお見かけしますね。
大久保:「ファン同士でこうして集まれて嬉しい!」というお声もいただいていますね。このコラボカフェをきっかけにこうした交流が生まれているのも嬉しいことだなと思います。
ほかにも、ご来店いただいた皆様に大変よろこんでいただいている机の上に設置したイラスト入りファイルも先生のアイディアです。先生の方から「キャラクターの設定や落書きを描きたい」というお話しをいただいたのですが、我々としてはありがたいお話しなので、すぐに「ファイル何冊必要ですか?」、「何ページいるかな?」と話が進みました(笑)。
――なんとこちらのファイル、4月27日からは本として発売されているんですよね!
大久保:元々、本にして販売する予定はなかったのですが、店舗で実施しているアンケートや、メッセージボードに“販売してほしい”というお声をたくさんいただいたので、実現することができました。通販も後日実施予定です。
――『公式なのにうすいほん』というタイトルがまた素敵です。
大久保:タイトルは先生と打ち合わせの時に生まれたもので、望月先生の世界観にある重厚なストーリーとは別の、ギャグっぽいノリの方を反映させていただいた形ですね。言うならば“カバー裏”のノリです(笑)。
中身はファンの方なら絶対に喜んでいただける内容になっています。ファイルでは小さく描かれていたイラストも、本では見開きページに変えさせていただいているので、存分に楽しんでいただけると思います!
――店内は美しいイラストの展示から思わずクスッとしてしまうような展示が行われています。内装はどのようにイメージしていったのでしょうか?
大久保:カフェの方に壁にイラストを展示することや窓にシールを張るという、ベースとなる案をいただいたました。その後先生との話し合いのなかでどんなイラストを使うか、どんなネタを盛り込んでいくかなど決めていきました。
――店内の床に“ヴィンセント=ナイトレイ”と“ジャック=ベザリウス”が待ち構えているのが衝撃的でした!
大久保:床の踏み絵(!?)イラストは先生のアイディアで、2015年に『PandoraHearts』連載クライマックスを記念して開催した原画展で初めて企画したものです。原画展ではギルとヴィンセントを公開させていただいていました。今回のカフェではジャックverも作りカフェでも登場させたところ大好評! 「踏みました!」、「踏めません……」というお声をいただいています(笑)。
――コラボカフェで原作者の方から意見をもらうことは珍しいのかなと思うのですが、これまでにもこうしたアイディアをいただくことは多かったのですか?
安藤:実を言うとここまでアイディアをいただいたのは望月先生が初めてです。
大久保:だからこそファンの方が喜んでいただける企画になっているのかと思います。
――望月先生のアイディアが活かされた店内には、先生のサインや落書きも至る所に記されていますね。
大久保:オープン初日に来店されて、2時間ぶっ通しで店内のいたるところにサインをしてくださったり、ショーケースの飾りつけをしてくださいました。実はショーケースの一部は先生の私物を飾らせていただいていて、チェスやピアスなどは先生のものです。まだチェックされてない方はこの機会にぜひ見ていただければと思います。
――カフェのメインといえばフード&ドリンク。どちらも味の美味しさだけでなく、見た目の可愛いさも感じられてとても素敵でした。どのようにしてアイディアが生まれたのでしょうか?
大岡:“お茶会”がテーマというのがまずアイディアとしてありまして、そこに望月先生のSDキャライラストが料理に入り込むことが決まっていたので、可愛いイラストにあう料理をイメージしようというのが前提にありました。
安藤:メニューは作品のなかから“こんな風はどうだろう?”というアイディアをいくつも出した後に、スクエニさんにご提案させていただいて、そこからいただいたアイディアを元に再びメニュー案を作っていきます。そこから試作をしてみて「もっと色味を変えてみよう」、「モチーフに寄せよう」と再考を重ねることで完成しました。
――『エリオットの5種のソースを付けるなんて恥を知れ!!ポテト』や『ブレイクの私に食べさせて下サイ♡チョコケーキ』などメニュー名にもこだわりが感じられます。どのように命名されましたか?
大久保:メニュー名はカフェの方からご提案いただいたものをすべて先生に確認していただいています。ネタ感が満載なものは先生や我々(スクエニ側)のアイディアだったりします(笑)。
――先生との話し合いのなかでとくに盛り上がったメニューはありますか?
大久保:『エリオットの5種のソースを付けるなんて恥を知れ!!ポテト』です! 元々メニュー案にはなかったのですが、先生と「お友達とシェアする食べ物欲しいよね」という話から、「普通のポテトじゃつまらないからソースの種類がたくさんあったらいいよね」という話になったんです。そこから「これはエリオットの”恥を知れ”と組み合わせたい!」と盛り上がった結果、メニュー化することになりました。
ソースは混ぜてもそのままでも美味しいものをシェフからご提案いただいて、ポテトも漫画風にしたいというアイディアから、イラスト入りのペーパーを敷いてみたり……先生との打ちあわせのなかで生まれましたね。
――とても素敵なメニューばかりですが、苦労されたメニューや当初の案から変更になったメニューもあるのでしょうか?
湯浅:2弾のデザートメニューである『ヴァニタスの書のミルクレープ』は、没に没を重ねた末に完成した1品です。青いクレープと赤いクレープを重ね合わせたミルクレープで、本当は本物の鎖も添えたかったのですが、それは実現するのが難しく断念しました。
大久保:『満月のパンケーキ~蒼月・紅月・ダムピールのソースを添えて~』は最初“トルティーヤ”の予定でしたが、「カフェならパンケーキが欲しいよね」という話から急遽パンケーキに変更しました。3種類のソースは先生が提案してくださったもので、『ヴァニタスの手記』に登場するモチーフをイメージしています。
大岡:『ヴィンセントのオッドアイソーダ』もかなり苦戦したメニューですね。元々はショットグラスに大きなグラスを入れて飲む“ボムスタイル”をご提案していました。僕としてはエンターテインメント性があって良いかなと思っていたのですが、自分で2回試して2回ともYシャツをダメにしました……。そのためボムスタイルは没になり、今の形に落ち着きました。犠牲のもとに産まれた案ですね(笑)。
――現在、登場しているメニューのなかで1番苦労したメニューはありますか?
湯浅:『エミリーのラブリーケーキ』ですね。エミリーの不思議な雰囲気を出したかったのですが、なかなか難しくて……最後にマシュマロを添えることで完成させました。
大岡:『エミリーのラブリーケーキ』は本当に苦戦されていましたよね。試作の時期に冷凍庫を開けると、なかにエミリーが何体もいたんですよ! 軽いホラーです。
湯浅:最終的にはバージョン3までいました(笑)。でも、結果的に皆さんに楽しんでいただける1品になっていると思います。エミリーのケーキにはちょっとした隠し種もあるので、ぜひともご賞味いただければと思います。
――湯浅さんがメニューを考案するなかで1番大事にしていることはなんでしょう?
湯浅:やはり作品の世界観ですね。でも、今回のコラボカフェでは世界観を読み間違えていたのか、最初の案は血をイメージしたグロめのものばかり作っていました(笑)。最初はちょっとオカルト感のあるメニューをイメージしていたのですが、皆さんからの案をいただいて段々と今の形に行きつきました。
あとは、見た目と食べた時のギャップを狙いたかったので、『蒼月の吸血鬼のグラタン』や『オズのとろっとろオムライス』は中に仕込みを入れています。料理を作る立場としては、見た目の良さはもちろん、味や食感のアクセントも楽しんでいただきたかったので。作品の世界観を崩さずに、味の面で遊び心を楽しんでいただければと思います。
――お気に入りのメニューはありますか?
大久保:『オズのとろっとろオムライス』です。卵がふわふわで、中にチーズとトマトが入っていてとてもおいしいです! 望月先生にも数品食べていただいたのですが、どのメニューも見た目でも、美味しさでも本当に喜んでいました。
――今後もさまざまなメニューが登場しますね!
大久保:『マッドハッターのマルゲリータ』は先生自らデザインいただきました。第2弾、第3弾では先生の手心が加わっているものが増えてくるので楽しみにしていただければと思います。
――メニュー外での今後の見どころは?
大久保:内装は第2弾、第3弾で展示イラストが変わる予定です。それ以外でもちょこちょこ内装を変えていく予定なので、“何度来ても楽しめる”お店になっているかと思います。グッズも新しいものが増える予定ですので、こちらもあわせてお楽しみに! カフェ公式ツイッターで情報を随時出していこうと思っています!
――最後に読者に向けてメッセージをおねがいします!
大久保:第2弾、第3弾とメニューが新しくなっていきますし、ファンの方に喜んでいただけるものになっていると思います。気軽にお茶をしに行くくらいの気持ちで、あしを運んでいただければと思います。とても幸せな空間になっていますので。
湯浅:今後もちょっと変わった料理が登場します。皆さまの熱意を感じて料理をどんな風にしようかまだ考案中です。日常とは違った新しい空間を楽しんでいただければと思います。
――ありがとうございました!
■『PandoraHearts』×『ヴァニタスの手記』Collaboration Cafe
会場:東京・池袋アニぱらCAFE
住所:東京都豊島区南池袋 1-26-2 近代グループBLD 3号館 7階
開催期間:
第1弾:2018年4月4日(水)~30日(月)
第2弾:2018年5月1日(火)~23日(水)
第3弾:2018年5月24日(木)~6月10日(日)
©Jun Mochizuki/SQUARE ENIX
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