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『魔法騎士レイアース』衝撃の展開に震えた24年前。平成のアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』第6回
2018.09.21 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
平成が終わる前に30年分のTVアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』シリーズ! 今回は平成6年(1994年)のアニメを振り返ります。
この年は、シャチを連れて冒険する女の子・ナナミの物語を描いた『七つの海のティコ』、『超時空要塞マクロス』の続編にあたる『マクロス7』、見習い魔法使いのチャチャが“マジカルプリンセス”に変身して戦う『赤ずきんチャチャ』などが放送されました。
今回は、数ある平成6年に放送されたTVアニメのうち3作をご紹介します!
甘酸っぱく、切ない。両親の再婚により結ばれた2人の恋を描いた『ママレード・ボーイ』
『ママレード・ボーイ』は、少女漫画誌『りぼん』にて掲載された少女漫画。1994年から1995年にかけてTVアニメ化され、今年4月には桜井日奈子さん、吉沢 亮さんを主役に据えて実写映画化されたことでも話題になりました。
本作は、両親の再婚により家族となった少女・小石川光希と少年・松浦 遊の禁断の恋を描いた物語。ヒロインである光希は、1歳までロンドンで生まれ育った帰国子女で、明るく少しだけ幼い性格。健康的で可愛らしい女の子です。遊は成績優秀、スポーツ万能、眉目秀麗と文句なしのイケメン。しかし、自分の本心をさらけだせない一面があり、“本当に好きになれる子ができない”という悩みを持っています。
そんな遊が、光希との生活のなかで次第に光希に惹かれだす姿は胸キュン間違いなし。しかも、この2人の関係にはとんでもない秘密が隠されているのですが、これは本作の見どころの一つであり、名シーンの一つでもあるので、気になる方はアニメをチェックしていただきたい……甘いだけでなく、切なさがあるのが『ママレード・ボーイ』の魅力なのです。
なお、実写映画の製作を記念して、東映アニメーションの公式YouTubeチャンネルでは、本作の第1話が公開中です。「ちょっと気になるかも?」という方は、お試しで第1話をチェックしてみてはいかがでしょうか。
絵本のようなファンタジー世界でゆる~いギャグを楽しめる『魔法陣グルグル』
ファンタジーRPGの世界を描いたギャグ作品『魔法陣グルグル』は、1994年にTVアニメ放送されました。2017年には、原作が連載25周年を迎えることを記念してリメイク版が放送。制作が日本アニメーションからProduction I.Gに変更され、スタッフ・キャストも一新されました。
本作は、ファンタジーRPGの世界を知っている人なら「あるある!」と思わず言ってしまうパロディネタや、肩から力が抜けるようなゆるいギャグのオンパレード。また、「ウニョラー」、「ニャポットナ~」など意味がなさそうであるようなないような擬音がよく登場します。しかも、脳裏からしばらく離れないタイプの擬音です。ウニョラー。
そんなTVアニメ『魔法陣グルグル』の、メインキャラクターはニケとククリの2人。ニケは、真の職業は盗賊なのに、父親に勇者に仕立て上げられて旅立たされた少年。ククリは、この世に唯一残ったミグミグ族の末裔で、魔法“グルグル”を使用できるグルグル使いの女の子です。この2人がパーティーを組み冒険の旅にでるのですが、ファンタジーならではの世界観に可愛らしい絵柄も相まって、その旅路はギャグを交えた絵本を読んでいるかのよう。笑えるのに、ほっこりしてしまいます。
そして、ククリは魔法を使うために魔法陣を描くのですが、この魔法陣がすっごく可愛い。『グルグル』世代の方で、今でも魔法陣を描ける方は結構居るんじゃないでしょうか?
魔法騎士×ロボット!少女漫画になかった作風で話題となった『魔法騎士レイアース』
『魔法騎士レイアース』は、『カードキャプターさくら』などで知られるCLAMPが『なかよし』で連載していた同名漫画を原作としたTVアニメ。1994年から1995年にかけてTVアニメ化され、1997年にはOVA化。ゲームボーイやスーパーファミコンにてゲーム化もされています。本作は『なかよし』で連載された少女漫画としては珍しく、主人公の女の子たちが巨大ロボットに乗って戦うことで話題になりました。
本作は、偶然出会った3人の女の子、獅堂 光、龍咲 海、鳳凰寺 風が、魔法騎士(マジックナイト)に変身し、異世界・セフィーロを救うために戦う物語。第一章、二章で構成されており、第一章では、セフィーロの“柱”であるエメロード姫を救うため、神官ザガートを倒すために3人が奮闘。第二章では、本当の意味でセフィーロを救うために3人が戦う姿が描かれています。
TVアニメにて、セフィーロの“柱”として登場する姫・エメロードを演じるのは緒方恵美さん。緒方さんといえば『幽☆遊☆白書』の蔵馬、『美少女戦士セーラームーン』の天王はるか(セーラーウラヌス)、など“イケメン”なキャラクターを数多く演じられています。そんな緒方さんが姫役を演じるのは本作が初のこと。緒方さん演じるエメロード姫がなぜマジックナイトたちを召喚したのか…。衝撃の事実に涙が止まらなかった視聴者は多いはず。
また、本作は第43~49話の7話でしか使用されていないOP『光と影を抱きしめたまま』の作画が美しすぎることでも有名。アニメ1話(30分)で使用されるセル(画像データ)がおおよそ3000枚と言われるところ、本作のOPではその倍に当たる6000枚ものセルで構成されています。「そしたらOPは60分くらいあるのかな?」って思いますよね。3分くらいです。
数字だけでもすさまじさを伝えられる気がしますが、ぜひとも実映像をチェックしてみてください。たった7話でしか使用されないというのに、本作のクライマックスを飾るにふさわしい映像を作り上げてくれました。
平成6年の日本はどうだった?
ちなみに平成6年の日本では、森永製菓の“ウイダーinゼリー”、ロッテの“トッポ”が誕生したほか、ソニーより“プレイステーション”が発売されました。また、ドラマ『家なき子』が話題となり、安達祐実さんが演じた相沢すずのセリフ「同情するならカネをくれ」が流行語に選ばれたのもこの年の出来事でした。
次回の『平成アニメ備忘録』をお楽しみに!
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