福山潤さん「改めて彼らのどうしようもない日常を振り返っていただけたら」劇場版『えいがのおそ松さん』インタビュー

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福山潤さん「改めて彼らのどうしようもない日常を振り返っていただけたら」劇場版『えいがのおそ松さん』インタビュー

2019.03.03 <PASH! PLUS>

PASH! PLUS

　現在発売中のPASH！3月号では3月15日に全国ロードショーとなる劇場版「えいがのおそ松さん」の特集を掲載しています。その特集内で掲載されている、一松役・福山潤さんに本作の見どころをうかがいました。

一松役・福山潤さんインタビュー

──最初に劇場版制作のお話を聞いたとき、どう思われましたか？

　いろいろな方々から「観ています」というお言葉をいただく機会が結構ありまして、ＴＶアニメ『おそ松さん』が未だに多くの人に支持されている実感があるなかでの劇場版化ということで。もちろん素直に嬉しかったんですけど、僕はそれ以上に「今度は何をやらされるんだろう？」と内容やスケジュールのほうが気になってしまいました（笑）。

　これまでＴＶアニメシリーズで２期もやらせていただけて、ここで終わるのか、続編があるのかは僕らキャスト陣は分かりませんでしたが、すでにもう心の準備はできていましたね。

──では、実際に台本を読まれての感想をお聞かせください。

　藤田（陽一）監督と脚本の松原（秀）さんのことを信頼しきっているので、不安は何もありませんでした。ただ『おそ松さん』に限らず、面白い作品は得てしてそういうものだとは思うんですけど、台本を読んだだけでは分からないところがありまして。

　台本、映像、そして収録現場の雰囲気が合わさり、実際にほかのキャストと一緒に演じていくなかで「あっ、こういうことだったんだ！」とか「ここはこんなに面白くなるんだ！」と分かったシーンがいっぱいあったんです。だからそれを何もない状態から作っている藤田監督と松原さんは、どんな頭をしているんだろうって思います。あとはやっぱりあのふたりらしい内容だと感じました。

──今回の劇場版では、18歳のときの６つ子も登場しますね。

　個性がどの段階で生まれたのかは分からないし、少なくともこうなるはずとは思ってはいなかったんですけど、一松の18歳のときの設定を見たとき「そうだろうな」としっくりきましたよ。彼らは変わっているように見えて、みんな現在の６つ子（20代）にきちんと沿っていますよね。おそ松は現在と見た目も全然変わらないし、カラ松の〝実はこうだった〟というのはビックリ要素でもあるんでしょうけど、元々気遣いができる人だから不思議ではない。で、チョロ松の

　「実はこうだった」は「だからこそでしょ！」と思ったし、自意識の高さが悪い方向にしかいっていない。十四松はもう考えるだけムダ（笑）。トド松は６つ子なのにひとりだけ成長が遅いところも含め、すごく奇をてらっているようでいて大変現在に繋がるものになっている。そして一松はトド松にもいじられていましたが、「狂人を装った普通の人」だから、狂人を装う前はあくまで普通の人だったろうなと想像に難くなくて。今回それを正面から演らせてもらえるということで、僕は、一松（＝普通の人）を普通に演じれば良かったんです。だからこそ、そうではないほかの５人は大変だろうなとも思いました。

──最後に、公開を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

　ＴＶアニメ第２期を終えてから少し間が空き、今回の劇場版『えいがのおそ松さん』が公開されますが、本作は思った以上に大作になっております。みなさん、大いに騙されてください。そして、大いに受け止めてください。そうすればまた６つ子たちの日常が観たくなること請け合いです。ただ、彼らのなかに「なぜこういうふうになったのか」というひとつの提示がございますので、その答えを受け取って、改めて彼らのどうしようもない日常を振り返っていただけたら幸いです。

（※PASH!2019年3月号より抜粋）