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『ワンピース』『コレクター・ユイ』『おジャ魔女どれみ』などに注目! 平成のアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』第11回

2020.05.04 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

 平成30年分のTVアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』シリーズ! 今回は平成11年(1999年)のアニメを振り返ります。

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 この年は、ジャンヌ・ダルクの生まれ変わりの怪盗少女の運命描いた『神風怪盗ジャンヌ』、仮想空間を舞台に女の子が問題を解決していく『コレクター・ユイ』、動物や恐竜をモチーフにした男児向け玩具のアニメ化『ゾイド -ZOIDS-』、『コードギアス 反逆のルルーシュ』の谷口悟朗監督作『無限のリヴァイアス』などが放送されました。

 今回は、数ある平成11年に放送されたTVアニメのうち3作をご紹介します!

魔法がなくても夢は叶えられることを教えてくれた『おジャ魔女どれみ』

 東映アニメーションが制作したオリジナルアニメ『おジャ魔女どれみ』は、1999年から2002年までの4年間に渡って放送された児童向け魔法少女アニメです。

 小学3年生の春風どれみは、魔女になり“好きな人に告白する魔法”を手に入れることを夢見ていたところ、マジョリカと出会い、マジョリカが本物の魔女であることを見破ってしまいます。それが理由でマジョリカは呪いの力により魔女ガエルになってしまい、どれみはマジョリカを魔女に戻すために、幼馴染の藤原はずき、妹尾あいことともに“魔女見習い”のになるための修行の日々を送ることに。後には、別の魔女の下で修業をしていた瀬川おんぷが仲間に加わり、どれみ、はづき、あいこ、おんぷの4人で魔女を目指すことになります。

 本作は、“友情”をテーマにしており、小学3年生の少女たちが“友達のためにできること”を叶えようとする姿が描かれています。その最たるものが無印物語の終盤、おんぷが禁断の魔法を使用してしまうシーン。禁断の魔法を使用したおんぷは、24時間以内に助けられないと“百年の眠り”についてしまう呪いにかかってしまいます。そして、これを助けることは魔女の掟に反し、魔女の資格をはく奪されることになってしまう…。それでもどれみたちは、“魔女になる”ことを夢見て修行の日々を送ってきたにも関わらず、“魔女になる資格”と“友達を救うこと”を天秤にかけることなく、おんぷを救うことを選ぶのです。

 これにより、魔女の道ではなく普通の女の子としての道を選ぶことを決めたどれみたち。そこには、“魔法じゃなくても自分で叶えられることはある”というメッセージも込められており、“魔法使いになれない私たち”をずいぶんと勇気付けてくれました。これはシリーズのクライマックス『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』でも、どれみたちが改めて認識しています。

 このほかにも、魔法を一切しようしない回、魔法を使うことをやめた魔女が登場する回、どれみたちの技量不足で魔法が役に立たない回があるなど、魔法少女アニメでありながら“決して魔法が万能ではない”ことが描かれていたのは、今思うとかなり画期的だったのではないかと思います。魔法に夢を見ることができると同時に、現実の自分を勇気づけてくれるようなアニメでした。

“デジタルワールド”に選ばれた子供たちの成長を描いた『デジモンアドベンチャー』

 TVアニメ『デジモンアドベンチャー』は、1999年から2000年にかけて放送された『デジモン』TVアニメシリーズ第1作目です。厳密な第1作目は1995年に公開された劇場版になり、本作は劇場版の4年後の世界を描いた物語です。

 “デジタルワールド”と呼ばれる仮想世界と現実世界がリンクした世界が物語の舞台。突如、デジタルワールドに放り出された八神太一、武之内空、石田ヤマト、泉光子郎、太刀川ミミ、城戸丈、高石タケルたちは、“デジモン”との関りあい、異世界での日々、仲間とのふれあいの中で“自分らしく生きること”を見出し、成長していく物語です。子供向けアニメではありますが、“なぜ太一たちがデジタルワールドに飛ばされたのか?”を始めとした謎・伏線があり、大人でも楽しめる作品であるのが本作の魅力でもあります。

 本作の魅力はいたるところにあるのですが、筆者としてはOP主題歌『Butter-Fly』(歌:和田光司)を押したい。ライターとして上手く表現するべきだと思いつつ、本楽曲は“聴けば勝手に思い出が浮かび上がる”のが魅力と表現したくなるほど、楽曲的魅力・ひいては本作とのマッチ度が高いと思っています。

 サビの“無限大な夢のあとの 何もない世の中じゃ”というフレーズを耳にすれば、太一やアグモンの姿、デジタルワールドが脳裏に勝手に浮かんでくる。この世代を生きたキッズの記憶に訴えかける楽曲です。なお、最終回(54話)では挿入歌として本楽曲が使用されるのですが……名セリフ&名シーンも数多く涙なしでは見ることができません。見て。

「海賊王に俺はなる!」――オリジナル編もおすすめの『ワンピース』

 『週刊少年ジャンプ』で尾田栄一郎が連載中の同名漫画を原作としたTVアニメ。1999年から現在に至るまでの約20年間放送され続けており、フジテレビ系列では『サザエさん』、『ちびまる子ちゃん』に次ぐ長寿アニメのひとつ。最新話はなんと853話。どれだけの期間放送されているか数字でもわかりますよね(そして『ホールケーキアイランド編』最高に面白い)。

 現在は日曜9:30から放送されていますが、それまでは水曜19:00、日曜19:30、日曜19:00に放送されていました。日曜19時の時代は、『ワンピース』と『学校の怪談』がセットで見れる最高の時代だった……。子供時代の筆者にとってはアニメの黄金時間帯でした。

 『ワンピース』作品全体の見どころとなると、際限なく書けてしまうため(現に5000字まで書いて消した)、今回は“空島編”~“デービーバックファイト”の間に当たる196話~206話の10話にわたって展開されたオリジナルエピソード“海軍要塞編”に特筆。“海軍要塞編”では、空島から帰還したルフィたち麦わらの一味が、難攻不落の海軍本部基地“ナバロン要塞(別名:ハリネズミ)”に落ちたってしまったことから、再び航海に出るために逃げ出るまでが描かれています。

 敵地・海軍本部にて、ルフィ&サンジはコック見習い、チョッパーは軍医、ウソップ&ゾロは獄中と、様々な形で潜入(ウソップとゾロは潜入ではなく普通につかまっていますが)。難攻不落の要塞から逃げ出すべく動き出す彼らですが、サンジは海軍のコックが惚れ惚れするほどの腕前を見せる、チョッパーは軍医として命を救おうとするなど、個々の能力をピックアップしたシーンも多く見ごたえ抜群です。

 また、この話におけるラスボス・ジョナサンがこれまた曲者で、いいキャラしているんですよ。ルフィとジョナサンの闘いは、知的であり、本能的でとても素敵なので見てほしい。なお、ジョナサンの部下は“最悪の世代”ドレイクと同名。別キャラクターではあるのですが、声優が同じなあたりにアニメスタッフの遊び心を感じました。

 平成11年の日本はどうだった?

 ちなみに平成11年の日本では、広島県と愛媛県を結ぶ瀬戸内しまなみ海道が開通したほか、ソニーより子犬型ペットロボット“AIBO”が登場、GLAYが国内史上最高規模の20万人ライブを幕張メッセで開催しました。また、「1999年7月に世界が滅亡する」という“ノストラダムスの大予言”の期限が到来するも、世界は滅亡することがなかった年でもあります。よかったよかった。

 次回の『平成アニメ備忘録』をお楽しみに!

過去の記事はこちら

第1回(1989年/平成元年)

第2回(1990年/平成2年)

第3回(1991年/平成3年)

第4回(1992年/平成4年)

第5回(1993年/平成5年)

第6回(1994年/平成6年)

第7回(1995年/平成7年)

第8回(1996年/平成8年)

第9回(1997年/平成9年)

第10回(1998年/平成10年)

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