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『満月を探して』『ミルモでポン!』、『羽灰同盟』に『最終兵器彼女』など。平成のアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』第14回

2020.05.07 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

 平成30年分のTVアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』シリーズ! 今回は平成14年(2002年)のアニメを振り返ります。

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 この年は、大人気SFミリタリーアクション『フルメタル・パニック!』、Keyの処女作『Kanon』の東映アニメーション版、安倍吉俊さん原作&独特の世界観が美しい隠れた名作『羽灰同盟』、戦う変身美少女+動物+「ご奉仕するにゃん」な時代を先取りしたアニメ『東京ミュウミュウ』が登場。

 さらに、高校生の男の子と兵器として戦う少女の静かで切ない愛を描く『最終兵器彼女』、PASH!でも大きく取り扱った大人気アニメ『機動戦士ガンダムSEED』などが放送されました。

 今回は、数ある平成14年に放送されたTVアニメのうち3作をご紹介します!

アニメと漫画でラストが異なる! 限られた時間で輝くアイドルを描いた『満月を探して』

 『満月を探して』は、種村有菜さんによる同名漫画のTVアニメ。2002年から2003年にかけて放送されました。

 本作は、歌手を目指してい12歳の女の子・神山満月が主人公。満月は最愛の人・桜井英知と“歌手になる”ことを約束するも、喉の病気で思い切り歌うことができない身体になってしまいます。そんな彼女の前に“タクト”と“めろこ”と名乗る2人組みの死神が姿を現し、自らの余命が残り1年であることを知ります。満月は、限られた余命で夢をかなえるため、タクトの力を借りることで16歳の少女に変身し、音楽事務所のオーディションに応募。見事に合格した満月は、“フルムーン”として鮮烈なデビューを果たします。

 全52話のうち、15話まではフルムーンとして活躍する満月の芸能界での出来事が、30話までは“死神の正体や謎”と“満月の葛藤”が、そしてラストに向けては“満月の病状が悪化していく姿”が描かれていきます。作品のメインは“アイドルとして活躍する満月”の姿ですが、ただ“アイドルが成長していく物語”ではなく、“余命1年”という限られた時間のなかで輝こうとするアイドル・満月の姿が描かれているのがポイントであり見どころ。また、芸能界を描いた作品ということもあり、曲のクオリティーが高い! 『ROCK ’N’ROLL PRINCESS』、『New Future』、『ETENAL SNOW』とか名曲です。

 本作は漫画とアニメがほぼ同時進行で進み、ラストの展開は全くの別物になっています。個人的にはアニメのラストにはうるっとし、原作のラストではすっきりしました。これからアニメを見る方はぜひとも漫画のラストもチェックしてみてください。「どちらが良い!」とかではなく、どちらも見ることで両者のラストの解釈を楽しむことができると思います!

この当時の女児のマストアイテムがマグカップになったのは『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!』がきっかけ?

 『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!』は、篠塚ひろむによる同名漫画のアニメ作品で2002年から2005年にかけて放送されました。

 本作は、地上に降りてきた妖精ミルモとそのパートナーの女の子・南 楓の日々を描いた物語。中学生の楓は同じクラスの結木 摂に片思いしていながらも、声をかけることができず、遠くから見つめるだけの日々を過ごしていました。ある日、母親が買ってきた“恋のおまじないができるマグカップ”を手に入れた楓。カップの底に記載されている通り、ホットココアを注ぐと、恋の妖精・ミルモが登場! 可愛い見た目に反して、ちょっぴり我儘なミルモ。楓はミルモとパートナーになり、摂との恋を叶えるために動き出します。

 この当時、『ちゃお』を愛読していた筆者。少ないお小遣いで『ちゃお』を購入しては、『ミルモ』や『Dr.リンにきいてみて!』を楽しみに生きていたのですが、同じ作品を読んでいる同士が居なくて少しだけ寂しい思いをしていました。しかし、『ミルモでポン!』の放送が始まると、クラス(というか学校中)で『ちゃお』読者が急増。男子ですらミルモを知っているという『ミルモ』&『ちゃお』ブームが起きたのですが、この当時はどこの学校もそうだったのでしょうか? 

 そして、この当時はクラスメイトからの旅行のお土産や誕生日プレゼントがだいたい“マグカップ”になり、家中にファンシーなマグカップが急増する現象が起きた方、結構いるんじゃないかと気になっています。マグカップを割ってしまった女子が学校で「ミルモに会えなくなる」と号泣した事件を私は忘れられない(マグカップが割れてしまうと妖精は人間界と妖精界を行き来できなくなる)。

友情や師弟愛、家族愛を教えてくれた『ナルト』。名曲もチェック!

 最後は、岸本斉史さんによる同名漫画のTVアニメ『ナルト』。2002年から2007年までアニメ化され、その後、青年期を『疾風伝』として2007年から2017年までアニメ化されました。『疾風伝』ですら放送を終えて1年半経つ事実に驚き……いいラストでした。

 本作は落ちこぼれ忍者・うずまきナルトが、仲間とともに様々な困難に立ち向かい、木の葉の里の長・火影を目指して突き進んでいくド根性忍道伝。忍者の活躍を描いた作品であることから、大人も子供も釘付けにするアクションが多数登場します。初期だと“多重影分身”や“砂瀑送葬”、“水遁秘術・千殺水翔”とか格好いいよね。体育のマット運動の時間にサスケの“獅子連弾”を真似た男子が捻挫し、先生に怒られていたのも記憶に新しいです。あと、“千年殺し”は学校で禁止になっていましたね。

 『ナルト』はアクションだけでなく、ナルトたちが成長する過程で築き上げる“人間関係”も見どころ。サスケやサクラ、カカシ先生たち“第7班”、シカマルやキバ、ガイたち“同期”との絆、激闘の果てにたどり着いた我愛羅や砂の里との絆、師匠である自来也との師弟関係といったナルトと登場人物の強い関係性だけでなく、再不斬と白の言葉では語れぬ関係、ガイとリーの青き血潮が流れる関係、サスケとイタチの血と憎しみによる繋がり……など、紡がれていく人間関係から学ぶこと・感じることが多々ありました。

 そんな『ナルト』は、アニメ主題歌の名曲も多いのです! アジカンの『遥か彼方』やRYTHEMの『ハルモニア』、little by littleの『悲しみをやさしさに』、オレンジレンジの『ビバ★ロック』、FLOWの『GO!!!』、サンボマスターの『青春狂騒曲』……「これが良かったよね!」と書こうと思ったら全部良すぎて全部書いてしまった……。

 楽曲を聴くことで「これは中忍試験の時だ」、「サスケ奪還編胸熱だったよな」とアニメの記憶も蘇ってきました。しばらくアニメを見ていない方、通勤&通学中に上記の楽曲を聴いてみてはいかがでしょうか。アニメ『ナルト』が見たくなるはずです(絶賛、1話から見直し中です)。

平成14年の日本はどうだった?

 ちなみに平成14年の日本では、アゴヒゲアザラシの“タマちゃん”やアイフルのCMに登場したチワワのくぅ~ちゃんなど“可愛い動物”が話題に。また、マイクロソフトが『X BOX』を国内で発売、『キングダムハーツ』、『ポケットモンスター ルビー・サファイア』など名作ゲームの登場、学校が週休2日制になったのもこの年の出来事です。土曜日だけ半ドンで学校あったのが、なくなったのってこの年のことなんですね~。

 次回の『平成アニメ備忘録』をお楽しみに!

過去の記事はこちら

第1回(1989年/平成元年)

第2回(1990年/平成2年)

第3回(1991年/平成3年)

第4回(1992年/平成4年)

第5回(1993年/平成5年)

第6回(1994年/平成6年)

第7回(1995年/平成7年)

第8回(1996年/平成8年)

第9回(1997年/平成9年)

第10回(1998年/平成10年)

第11回(1998年/平成11年)

第12回(1999年/平成12年)

第13回(2000年/平成13年)

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