『宇宙戦艦ヤマト』古代 進がイスカンダル往復で得た収入はいくら？地球を守ったのにこの金額！？

　皆さんは『宇宙戦艦ヤマト』を御存じですか？　観たことはなくとも、題名や主題歌は、耳にされたことはあるのではないでしょうか？

　私も幼少の頃テレビにかじりついて、毎週観ていました。1970年代に、一大ブームを巻き起こした壮大なＳＦアニメはその後のアニメ界に多大なる影響を与えました。続編も作られ映画化もされリメイク版も放映されています。また、実写映画版では、主人公・古代 進を木村拓也さんが、森雪を黒木メイサさんが演じていました。

　その主人公の古代 進は、宇宙訓練学校の訓練生上がりの18歳でした。彼は、地球より遥か14万8千光年という気の遠くなりそうなところにあるイスカンダル星に住むスターシャに放射能除去装置を提供して貰う為に派兵に出ました。

　ガミラス帝国から、発射される遊星爆弾の影響で、地球は放射能に汚染され1年以内に、放射能除去装置で除染をしないと人類が滅亡してしまうという状況での派兵でした。そんなシリアスなドラマとは裏腹に、下世話な話ですが、古代進 は、イスカンダルへの航海（派兵）で一体いくらの収入を得たでしょうか？　海上自衛隊の俸給（給与）を参考に試算してみました。

前提条件

　『宇宙戦艦ヤマト』第１作ＴＶシリーズ1974年10月6日～1975年3月30日（全26話）の放映画面映像を参考にしています。映像に映っていない作業は、手当に含まれてはいません。

●夜間特殊残業手当：宇宙なので深夜の概念が定義できませんので除外

●死体処理手当：携わっていると思いますが、画面では作業をしておらず、宇宙葬及び、森雪の死亡っぽいシーンも蘇生した為無効とします。

●評価基準が不鮮明な為、号俸の号数は全て1号とする。
※号俸は、一般的な会社でいうと勤務年数や仕事の評価でつけられる等級のようなもの上位等級に上がれば俸給も上がります。まず、自衛隊でいえば一番近い部署でいうと海上自衛隊であるといえます。であれば訓練生上がりの古代の身分は２等海士のスタートです。派兵期間は、正式採用でヤマトに乗船した日から364日です。週休2日で実勤務が、260日稼働とします。

　そもそも、ちゃんと休暇とか取れるのかという疑問がわくのですが、265.5ｍの艦船に114名の乗務員。欠員さえ無ければ問題無く休暇は取れると思います。

　また、本編でも紹介されていますが、レクリエーション施設が充実しているので、船内でのリフレッシュは、充分できるはずです。ただ、後半は、補充人員なしでガミラスにボコボコにされているので何ともいえませんが…。

　ちなみに残業手当はありません。それでは、下記詳細を試算していきます。

◆基本俸給
2等海士 159,500×9カ月＝1,435,500円
1等海士 179,200×3カ月＝537,600円
※2等海士9カ月後に1等海士に昇進の為

◆期末・勤勉手当6月期
【賞与のようなもので、6月1日在職する者に支払われる手当】
159,500×2.05＝326,975円

◆期末・勤勉手当12月期
【賞与のようなもので、12月1日在職する者に支払われる手当】
179,200×2.25＝403,200円
※2等海士9カ月後に1等海士に昇進の為

◆航海手当
【艦船乗務員には、その者が乗り込んでいる船が、定係港を出発してから当該定係港に、帰着するまでの日数支払われる手当】
日額1,670×260日＝434,200円

◆乗組手当
【居住施設を有し港外行動を行い防衛大臣の定める艦船に乗船する際に支払われる手当】
2等海士159,500×9カ月×33％＝473,715円
1等海士179,200×3ヵ月×33％＝177,408円
※2等海士9カ月後に1等海士に昇進の為

以下は特殊勤務手当となります。

◆国際緊急援助手当
【国際緊急援助の派遣作業において海外で作業に従事する際に支払われる手当】
日額4,000×260日＝1,040,000円

◆航空作業手当　
【航空機に搭乗し防衛大臣が定める作業に支払われる手当】
※古代には、コスモゼロ（戦闘機）の出撃回数が10回あります。
日額8,500×10日＝85,000円

以上合計が4,913,598円（税込）

　いかがでしょうか？　うーんと唸る方も多いと思います。ちなみに高卒初年度年収は平均260万円。18歳で年収500万もあるの？とか、地球守ったのにちょっと安すぎじゃね？って、お怒りになられる方もおられると思いますが…

　もう少し精査すると例えば、戦闘班長であるとか、シリーズ後半に艦長代理である為、もう少し号俸が上がると仮定すれば金額が多少上がるとは思いますが…。

　筆者は、自衛隊の経験者でないのであまり裏側は知りませんが、役職手当らしいものは見受けられませんでした。やはり、昇進を果たして、階級の上位の方が相応に俸給を得られるシステムだと思われます。昇進に値する活躍があっても正式な辞令もない状況ではまだ１等海。

　この金額が倍になるはずもなく、階級社会の悲しいところですね。そして、世間一般で考えると18歳で新社会人。でも命を張って地球を守った功績を称えられ、最年少で国民栄誉賞くらいは貰えるとは思うのですが…。

参考文献
ウィキペディア　宇宙戦艦ヤマト
海上自衛隊オフィシャルサイト
給料・com

文・内海　健（よしもとライターズアカデミーウエスト）

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