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『鬼滅の刃』炭治郎の仕事「炭売り」はどれだけ大変だったのか?竈門家の月収を調べてみた
2021.06.12 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が、日本国内興業収入400億円を突破しました。海外でも公開され、総興業収入517億円を記録。全世界で「鬼滅ブーム」が起きており、まだまだ興業収入は伸びていく気配がします。
今年秋には、TVアニメにて「遊郭編」が放送。それに向けて「竈門炭治郎 立志編」をおさらいしようと第1話を見た筆者。わずか13歳にして竈門家の大黒柱となり、顔を真っ黒にして炭を焼く炭治郎を見ていると、思わず涙が出てきてしまいました。
炭は枯れ木で150kg、生木で200kgから20~30kgの炭になり、竈門家では炭焼き窯で炭を作っています。炭焼き窯は昔から山などで行われている方法で、1回当り7~8日間で焼いた後、温度が下がるまで密閉して炉内に放置すれば黒炭となります。
こんな過酷な仕事を行う炭治郎。一体、月収はいくらだったのでしょうか? 気になったので調べてみました!
竈門家の月収を調べてみた!
炭治郎は一度にどれだけの量を町まで運んで行くか? 第一話冒頭のシーンで、炭治郎が炭焼き窯の前で炭が一杯になった籠を担いでいます。
まず、炭治郎の身長を自宅のTV画面で計ってみると、3.8cmでした。実際の身長は156cmですので、およそ41倍となります。籠のサイズは縦1.5cm×横1.2cmだったので、実物は61.5cm×49.2cmとなることに。これを基に計算すると、容積は24.6cm×24.6cm×61.5cm=116,862㎤となります。(※小数点以下は四捨五入)
木炭の密度は0.2 g/㎤ですので、116,862×0.2=23.372g(※小数点以下は四捨五入)。あふれ出る炭の量も考えると、籠の中の炭の重さは何と約24㎏となります。
これだけの重さを担いで整備もされていない山道を日常的に歩けば、あのとんでもない身体能力が身につくのも頷けますね。
そして当時の炭の取引金額ですが、時代を特定するヒントは、最終選別に出て来た手鬼が「忘れもしない47年前……」「江戸時代、慶応の頃だった……」と言っています。そこから推測すると、第一話は大正元年(1912年)~大正3年(1915年)頃ということに。
当時の重さの単位は1貫=3.75㎏で取引されていました。資料によると、木炭は1貫目がおよそ8銭で取引されており、大正時代の貨幣価値は1円=4,000円なので、1円=100銭、1銭=40円で1貫目が320円となります。
24㎏÷3,75kg=6.4貫目なので、6.4貫目×320円=2,048円。一度町へ行くと2,048円の収入となります。これはあくまで炭治郎が一人で行った場合。台車を使用することもあるようです。
1か月の生産量ですが、炭焼きに要する日数だけでなく準備等を考慮して、1回につき
10日前後とすれば、月に3回は可能。一度の生産量は竈門家の大型の炭焼き窯であればおよそ150kgは可能であると思われます。
月産450㎏であれば120貫になり、120貫×320円=38,400円となります。
ちなみに2020年の大卒サラリーマンの初任給(月給)は、およそ22万6000円となります。
山での自給自足が主流の生活なのでしょうが、非常に厳しい収入額ですね。炭売りは山間の人たちが農閑期の冬にする仕事、つまりは副業として行うことが多かったそうです。
金銭的な苦労が多そうですが、家族の絆は強く炭治郎は懸命に働き、町の人達からも信頼の厚く、幸せに暮らしていました。しかし、そんな生活は、鬼舞辻無惨によって崩壊してしまったのです…。もう、涙なしでは見られない!
以上を踏まえて、皆さんももう一度「竈門炭治郎 立志編」を見てみてはいかがでしょうか?
参考文献及び資料
テレビ 【鬼滅の刃】
ウィキペディア 【鬼滅の刃】
ピクシブ百科事典【竈門 炭治郎】
物体の物理的性質一覧 SI 単位
宿毛市史【近代、現代編-林業-木炭】
木炭の用途と簡単な炭焼きの方法 「林業相談室」
山本粉炭工業【炭焼の作り方】
ム-ビ-アンテナ【炭治郎と「炭売り」の気になる疑問・竈門家の住まいの考察】
MUFG 【昔の「1円」は今のいくら?1円から見る貨幣価値・今昔物語】
auじぶん銀行【今から100年前「大正時代」はどんな時代だった?物価は?初任給は?】
(※画像は『鬼滅の刃』公式サイトより)
文・内海 健(よしもとライターズアカデミーウエスト)
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