『進撃の巨人』パラディ島の壁は工事費用も“超大型”。鉄筋代わりの超大型巨人は全〇〇〇体!?

　皆さんは、かつて見たアニメ作品を改めて見返すことは、ありますか？　筆者も記事を書く為に見返すことがあるのですが、改めて見返すことで色々な発見をすることが多くあります。

　最近、見返したアニメ作品で特に印象深い事案があったのは「進撃の巨人」でした。

　本作における人類は、巨人の襲来で壁の内側に窮屈な生活を強いられているイメージがありますが、改めて作品を見返すとパラディ島その壁の最大直径960km……。

　大阪から仙台は直線で621kmです。東京を中心として西は兵庫県姫路城（466.9km）、北は岩手県盛岡市（462.9km）がすっぽり入るほどの面積です。めちゃくちゃ広いです。

　というか、これだけの面積を囲う壁の長さ……どれぐらいの距離になるのでしょう？　パラディ島にある3つの壁の半径は以下の通り。これを元に壁の長さを出します。

ウォール・マリア（半径480km）：480km×2×3.14＝3,014km
ウォール・ローゼ（半径380km）：380km×2×3.14＝2,386km
ウォール・シーナ（半径250km）：250km×2×3.14＝1,570km

壁の全長：6,970km

※円周率は3.14で計算。
※小数点以下は四捨五入。

　直接距離でおよそ東京からスリランカまでの距離。これだけの壁を、もし今作れば相当な費用が……。

「ちょっと待って気になる……壁を作る費用ってどれぐらいになるんでしょうか？」

　そう思い、調べてみました。

■『進撃の巨人』“パラディ島の壁”建設用材料費計算

　アニメ第25話「現在公開可能な情報」より、壁はどの部分も高さ50メートル・厚さ10メートルほどで、地下部分にも8メートル以上の壁が確認されているとされています。

　つまり、壁の中には超大型巨人が基礎杭の役割をしているので基礎部分も含めた高さは約60mあると思われます。そこから壁の作成に必要な生コンクリートの量を計算してみます。

6,970,000m×10m×60m＝41億8200万㎥

　ダム程度の耐久性は必要と思い、高強度コンクリートと呼ばれる超高層マンション等でも使用される材料の費用で金額を算出してみました。呼び強度60と呼ばれる高強度生コンクリートは1㎥当たり30,400円となります。

41億8200万㎥×30,400円＝127兆1,328億円

　予想はしていましたが、とてつもない金額になりますよね!?　日本の国家予算を越えてます。しかも、これは材料費、しかもコンクリートだけの金額です。この他にもかかる工事費用を考慮するとまさに天文学的な費用がかかるのでしょう……。

　費用とは関係ありませんが、広大な壁の中に埋もれている超大型巨人の数も気になったので、こちらも算出してみました。肩幅＝身長×23％前後ということなので下記の通り肩幅を計算できます。

超大型巨人の肩幅：60m×23％＝13.8m

6,970,000m÷13.8m＝50万5072体

※小数点以下切り捨て。

　こちらもスゴイ数字ですね、もし60mもある巨人が50万体も大暴れしだしたら、人類は本当に一溜りもありませんね……。

　改めて見返すと、とてもスケールの大きな物語です。アニメは「ファイナルシーズンPART2」が2022年1月からNHK総合で放映予定です、今から来年が待ち遠しいですね。

■参考文献及び資料
テレビ　【進撃の巨人】シリーズ
ウィキペディア　【進撃の巨人】【高強度コンクリート】
CANARY【身長別・肩幅の平均値】
アタリマエ！【円周の求め方】
りに帳【日本の東京から世界各国の首都までの距離一覧】
ウルトラフリ－ダム【1トンは何立方メートル（立米：m3）？何リットル（何L）？】
株式会社高沢生コン【生コンクリート標準価格表2021年4月】

※画像はTVアニメ『進撃の巨人』The Final Season公式サイトより。
Copyright(C) 諫山創・講談社／「進撃の巨人」The Final Season製作委員会

文・内海　健（よしもとライターズアカデミーウエスト）

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