アニメ『着せ恋』海夢ちゃんの“等身大ひな人形”を作ったらいくらかかる？老舗人形店で見積もり取ってみた！

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2022.05.05 <PASH! PLUS>

PASH! PLUS

　2022年の冬アニメで人気を博した作品のひとつといえば『その着せ替え人形は恋をする』ではないでしょうか。

　本作は雛人形の頭師（かしらし）を目指す高校生・五条新菜とコスプレ好きの美少女・喜多川海夢が、コスプレ衣装作りを介して親密になっていくさまを描いた青春ラブコメディ。

　筆者の周囲にもコスプレ好きな人はいますが、衣装はこだわりだすときりがないんだとか。オーダーメイドはそれなりの費用がかかり、コスト的には劇中のような自作が一番だそうですが、慣れていないと難しいとのこと。海夢ちゃんが困っていたのも頷けます。そんな海夢ちゃんの目前に現れた五条くんは、まさに神か救世主の如く映ったに違いありませんね……。

　アニメ2話で彼女の採寸が行われましたが、その内容は非常に詳細なものでした。筆者もさまざまなアニメをみましたが、これほどまでに細かいデータが採られたシーンは記憶にありません……。

　ちなみにその時のデータは下記の通り。五条くんと海夢ちゃんのコスプレ衣装への熱い思いが伝わります。かなり詳細にサイズを計測していますね……。

【喜多川海夢の身体データ】
頭の横の周囲：53.8cm
頭の縦の周囲：57.7cm
首回り：27.3cm
肩幅：35cm
袖丈：52.1cm
腕回り：22.9cm
肘回り：21.2cm
手首回り：13.1cm
肩回り：34.5cm
太もも回り：43.8cm
膝回り：29.5cm
ふくらはぎ回り：31.6cm
ウエスト：58.7cm
ヒップ：84.8cm
足首回り：19.2cm
足長：23.2cm
足囲：22.4cm
足幅：9.5cm
バスト：86.8cm（Dカップ）
アンダーバスト：68.2cm
バストポイント：20cm
股下：79.2cm
身長：164cm
※身長以外のデータは採寸によるもの（アニメ2話時点）
※身長は自己申告。

　ところで、このデータを見ていたら思いついたことがひとつ。本作の主人公・五条君の将来の夢も加味して、海夢ちゃんをモデルにした1/1サイズの雛人形を作ったらどうなるのでしょうか……！（特に金銭的な意味で！）ということで調べてみました。

海夢ちゃんをモデルにした等身大お雛様を作ったらいくらかかる？

　安易に企画してみましたが、筆者は頭師（かしらし）どころか人形店のお知り合いもおりません……。とりあえず、ダメ元でいくつかの人形店さんにオファーしてみたところ、なんとお見積りをして頂けるお店さんが！

　静岡県静岡市清水区にお店を構えてらっしゃる“望月人形”様です。積極的にメディアの取材や伝統的な雛人形の普及にご尽力されており、今回ご協力頂けました。

　昭和11（1936）年に初代望月麗光（望月源藏）氏が現在の“望月人形”を創業し、80年という年月のなか、桐塑（とうそ）による頭（かしら）や稲ワラを使った胴体など、伝統技術や技法、材料で一つ一つ魂を込め人形を製作しておられます。

　“めちゃくちゃ格式高い……！”とかなりビビりながら、お見積りをお願いしたところ、下記のご返答をいただきました。“望月人形”様、本当にご協力ありがとうございます！

　内容としてはおおよその概算で、工芸品としての最高の素材や最高峰の職人さんに各パーツ等の制作をお願いした場合のおおよその見積もりとのことです。

衣装仕立て：約1,300万十二単（すべて正絹）
お顔制作：約500万
手足制作：約400万
その他胴体部分：約300万
※1/1なので十二単は本物を着せますとのこと。
※小道具（檜扇）などが付きますがそれは見積もりには入っておりません。

合計金額：約2,500万

　如何でしょうか。作中のお金の話でいえば、海夢ちゃんが読者モデルをやっており、その給料を軍資金としていました。実際に読者モデル（アルバイト）の時給をサッと調べたところ、高い時給で8,000円のものがありましたが、その場合だと必要となるのは3,125時間！　伝統的な技法で熟練の職人さん達の手作りとなれば、これぐらいは当然といったところでしょうか。

　今回はあくまで想定見積りのみとなりましたが、ぜひとも等身大の“喜多川海夢雛人形”を見てみたいですね。版権許可を頂いてクラウドファンディングで資金を集めるのもおもしろいかもしれません。