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『ゴールデンカムイ』杉元の目的が第1話で達成!? ヒグマは●●も作中最強だった
2022.05.09 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
埋蔵金やお宝というワードを聞くと、心がときめいてしまうのは筆者だけでしょうか? 更に「何処かに眠るお宝探し」とくればワクワクドキドキしてしまいます!
お宝探しをテーマにしたアニメは数多く存在します。最近、特に大人気のアニメといえば『ゴールデンカムイ』ですね! 先日には実写映画化も発表され、ますます絶好調です。
本作は、明治末期の北海道・樺太を舞台にしたアイヌの埋蔵金である金塊をめぐるサバイバルバトル。人間だけでなく北海道などに生息する野生動物との戦いが描かれることもあり、そちらも目を惹きます。
第1話では、主人公・杉元佐一の身の丈よりはるかに大きいヒグマが襲いかかりますが、アシㇼパさんの助力もあって何とか倒すことができました。
倒したヒグマを早速解体するアシㇼパさん曰く、ヒグマの胆嚢は乾燥させると高く売れるとのこと。また、調べてみるとクマは全身を食用にでき、肉が少量であっても旨味が強いのだとか。
第1話で登場したヒグマはなかなかの大物。これだけの大きなヒグマ結構な金額になるのでは? 非常に気になります。というわけで調べてみました。
ヒグマはどれぐらいの金額で売れるのか?
『ゴールデンカムイ』に登場するヒグマは北海道のみに生息するエゾヒグマと呼ばれる種類で、雄であれば最大級の大きさは2.4m/480kgもあるそうです。ちなみに部位ごとの価格は以下の通り。
ヒグマの毛皮:170cm×170cm/61,111円(税込)
ヒグマの両手 熊の手(熊の掌):左右1対/108,000円(税込)
ヒグマの胆嚢:139,700円(税込)
クビ:200g/1,296円(税込)
スネ:200g/1,296円(税込)
バラ:200g/1,512円(税込)
ヒレ:200g/3,456円(税込)
ロース:200g/3,240円(税込)
肩ロース:200g/3,024円(税込)
モモ:200g/2,160円(税込)
ウデ:200g/1,728円(税込)
ヒグマ一頭から取れる食肉の量は推定となりますが、生体重の4割~5割ではないかとのこと。部位ごとの量を算出するのは困難であるため、クビ~ウデまでの部位の平均金額を算出して、ヒグマが大モノの雄(体重480kg)だったものとして概算します。
各部位200gの合計価格:1,296円+1,296円+1,512円+3,456円+3,240円+3,024円+2,160円+1,728円=17,712円
各部位200gの平均価格:17,712円÷8=2,214円
ヒグマ(体重480kg)の推定食肉量:480㎏×50%=240㎏=240,000g
平均価格による食肉の推定価格:240,000g÷200g×2,214円=265万6,800円
ここにヒグマの毛皮、両手、胆嚢をプラスすると……。
総額:296万5,611円
いかがでしょうか? こうやって見るとかなり高額ですね。ちなみに、杉元が埋蔵金を探す理由である剣持梅子の眼病治療の費用は、渡航費と手術台のどんぶり勘定で約200万円(現代換算。当時の200円)とのこと。
……なんと杉元の目的が第1話にして達成してしまいました!
とはいえ、価格は現代の一部専門店を参考にしたものですし、その現代においてもヒグマを買い取ってもらうのは厳しい状況で、北海道のとある自治体ではヒグマの駆除で1頭/1万円の奨励金が出るそうですが、捕獲したとしても対応してもらえる業者さんが非常に少ないらしく猟師さん自身が処理して食べることが通例だそうです。
また、日本ではかないませんが、ロシアでは無許可でペットとしてヒグマを飼うことが可能です。生後4カ月のヒグマの子どもが65,000ルーブル(93,600円)、100kg程の成熊だと15,000ルーブル(21,600円)となります。金額の高い安いはともかく『ゴールデンカムイ』を観た方は飼おうとは思わないでしょうけど……。
※2022年2月23日現在1ル-ブルは1.44円
アニメ第4期が決定し、原作も最終回まであとわずか。本当にこれからの展開が楽しみでワクワクします! 分析が可能であれば当覧の大好物・金塊の時価総額も調べてみたいと思います!
(※原作ネタバレ注意!)オマケ:杉元はヒグマの胆嚢だけで手術費用を稼げるのか?
2022年4月20日時点では原作第312話が公開されており、最終話を含めて残り2話と物語は佳境も佳境です。……ところで、その最新話ひとつ前、第311話にてアシㇼパさんが気になる発言をしておりました。
ネタバレを含むため一部のみのようやくですが、その内容は“ヒグマの胆嚢で杉元が必要とする約200万円(現代換算)を稼ぐ”というもの。
先ほどの考察では、胆嚢にこだわらずともヒグマ1頭で杉元の目的は達成されるという結論に至ったわけですが、実際胆嚢だけで稼いだ場合、ヒグマを何頭かる必要があるのでしょう? ちょっと調べてみました。
ヒグマの胆嚢の価格は先ほどの139,700円(税込)を流用。単純に200万円をこの価格で割っていくわけですが、その答えはなんと15頭!(小数点以下切り上げ)
数字にしてみると結構少ない印象を受けますが、短期間で達成する必要がある他(第1話で囚人が杉本に狩猟を提案していますが、却下する理由のひとつに“今すぐ稼ぎたい”を挙げています)、劇中で何度も描写されてきた通りヒグマはメチャクチャ強くて危険な生き物。状況的に苦し紛れの提案だったとはいえ、実現は非常に難しそうです。
参考文献及び資料
TVアニメ『ゴールデンカムイ』公式サイト
ウィキペディア:『ゴールデンカムイ』、エゾヒグマ、熊肉
楽天市場【北のグルメ・ヒグマの毛皮】
株式会社ジビエ工房【熊肉販売(ヒグマ)ご案内】
生薬の通信販売は中屋彦十郎薬局【熊胆(ゆうたん、ユウタン)、熊の胆(くまのい)】
助成金ブログ【1頭1万円/街に侵入したクマを駆除しよう!】
ロシア・ビヨンド【クマを始めとした珍しい動物を買う方法】
ヤフーファイナンス為替レート【ロシア・ルーブル】
取材協力:のぼりべつクマ牧場
※画像は公式サイトをキャプチャーしたもの。
(C) 野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
文・内海 健(よしもとライターズアカデミーウエスト)
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