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『絶対無敵ライジンオー』90年代のアニメは凄かった!1991年4月スタート
2017.12.17 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
学校が秘密基地に!
『絶対無敵ライジンオー』
1991年4月3日からテレビ東京系で放映
※Amazonより
サンライズによるロボットアニメ“エルドランシリーズ”の第1作です。小学校が小中学生男子の大好きな秘密基地という大胆な設定で、クラス全員で敵と戦う異色のロボットアニメです。テレビシリーズ終了後にはオリジナルビデオも制作されました。
五次元からの侵略者ジャーク帝国から地球を守るために戦ったエルドランが重傷を負い、乗っていた巨大ロボ・ライジンオーは陽昇学園に不時着。エルドランは居残り勉強をしていた5年3組の小学生たちにライジンメダルを渡して後を託してしまいます。このときから、彼らは地球防衛組として活動することになりました。
敵が出現するとクラス全員が教室に集まり、クラス委員長のマリア(声/吉田古奈美)がライジンメダルを教卓のくぼみにはめると、机が移動してモニターや計器類が出現し司令室となり、教室は丸ごと地下に移動します。全員がライジンメダルをセットして出動準備完了。そこで元気者の仁(声/松本梨香)が人型ロボの剣王、お坊っちゃまタイプの飛鳥(声/岩坪理江)が鳥型ロボの鳳王、内気な吼児(声/まるたまり)が動物型ロボの獣王に乗り込み、グラウンドやプール、体育館から出撃。この3体のロボが合体してライジンオーに変形します。
ライジンオーは仁たち3人が協力して操縦します。シリーズ後半には司令室から遠隔操作するバクリュウオー(竜型ロボのバドクリュウドラゴンが変形)が登場し、これと合体してゴッドライジンオーになります。いずれも出撃時には授業中であっても校舎などが大胆に移動・変形するので、ほかの児童たちが驚いたりします。なお、ライジンメダルはクラス18人それぞれに違う形をしているので、代わりはできません。
たくさんのロボやメカの楽しさ以上に本作の人気を支えたのが、「クラス全員の物語」だったことです。毎回、ジャーク帝国との戦いはありますが、ドラマは学校や家庭でのごく普通の生活がメインになっています。学校行事や試験、家庭でのささいなケンカ、町中でのトラブルなどに5年3組の面々は普通の小学生として関わっていきます。つまらないことでケンカしたり、和解したりしていく子供たちの成長が描かれました。そうしたシーン、特に少年たちの友情に当時の女性たちの支持も集まりました。
敵のジャーク帝国の侵略兵器・アークダーマは人々の「迷惑」という言葉に反応して、巨大な邪悪獣になります。「迷惑」に反応するので、ゴミや騒音などはもちろん、落書きやぬいぐるみまでも邪悪獣になってしまいました。たとえば第3話では、テストの成績が悪かった仁にマリアたちが勉強をさせようとします。それで仁が「テストなんて迷惑だ」と発した言葉にアークダーマが反応。試験用紙の束のような邪悪獣デストラーが誕生してしまいます。ライジンオーでデストラーを倒し、仁がちゃんと勉強をするという流れです。ジャーク帝国の司令官・ベルゼブ(声/梁田清之)と部下のタイダー(声/吉村よう・辻村真人)の掛け合いも人気でした。
この作品の監督は本作を制作したサンライズで富野由悠季監督、高橋良輔監督を支えてきた川瀬敏文の初監督作品です。“エルドランシリーズ”は3作品とも川瀬監督が手がけました。メインスタッフで3作品すべてに参加したのはメカデザインのやまだたかひろなど少数で、川瀬色が強く出た作品ともいえるようです。川瀬監督は最近でも『鬼灯の冷徹』などに絵コンテで参加しています。声優関連ではクラスメイト全員のキャラソンが作られたり、吼児役のまるたまりが漫画を描いたり、と多くのトピックがありました。タイダー役の吉村ようが急逝されたため、39話から辻村真人に変更になったことも印象的な出来事でした。
ちなみに、このシリーズですが、初放映以来四半世紀を過ぎた現在もまだ続いています。サンライズが運営する小説配信サイト「矢立文庫」で園田秀樹によるWeb小説『絶対無敵ライジンオー 五次元帝国の逆襲』が2017年4月より連載中です。2016年11月にはBlu-rayBOXも発売されました。
また、本作の設定制作に谷口悟朗がクレジットされています。彼は後に『コードギアス 反逆のルルーシュ』や近作では『ID-0』などで活躍している谷口監督その人。当時、取材で小学校を訪れて写真を撮るような仕事もあったそうです。
1991年4月スタートのアニメはこんな作品もありました。
ジャンケンマン
少年アシベ
機甲警察メタルジャック
どろろんぱっ!
ちいさなおばけアッチ・コッチ・ソッチ
ハイスクールミステリー学園七不思議
アニメひみつの花園
シティーハンター’91
21エモン
OH!MYコンブ
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