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野球漫画&アニメの新たな王道を作った『おおきく振りかぶって』の見どころベスト9を語る!

2018.01.23 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

登場人物に見る『おお振り』の魅力。押さえておきたい9つのポイントをご紹介

 TVアニメ『おおきく振りかぶって(おお振り)』が、2018年で放送開始から10周年を迎えました! 1月24日(水)にはコンプリートBlu-rayBOXの発売、2月からは初の舞台化が行われるなど、今年は『おお振り』イヤーと言える年になる予感。

 今回はそんな『おお振り』をピックアップ! 野球のプレイ人数である【9】にかけて、『おおきく振りかぶって』の“見どころベスト9”をご紹介します。項目1~5は登場人物に見る本作の魅力、そして6~9はおさえておきたい3つのポイントをお届け。いざ、プレイボール!

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【第1番】“弱気”な投手と“強気”な捕手がバッテリーを組む

 野球において守備の要となるのは投手と捕手のバッテリー! いかに“打たれないか”または“打たれたとしても球を飛ばせない(出塁につなげない)”ようにすることで、チームの失点を防ぐという、野球の花形でありプレッシャーのかかるポジションです。そんな重要なポジションを『おお振り』で担当するのは、投手の三橋 廉と捕手の阿部隆也の2人です。

 三橋は弱気な性格で人見知りをしやすく、普段はチームメイトと話すのさえ一苦労するほどビビリ。しかし、いざマウンドに上がると4つの変化球と“まっすぐ”と呼ばれる一風変わったストレートを、9分割に割り振られた場所に投げるという脅威の制球力で他者を圧倒します。

 また、マウンドに上がると普段のビビリな性格とは打って変わって“最後まで投げ続ける”ことにこだわり、“一度たりともマウンドを譲らない”と言わんばかりの独占欲を見せます。三橋がなぜ“ビビリ”で“マウンドに独占的になった”のかは、原作またはアニメの序盤で明らかになるのでチェックして!

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 対する捕手の阿部は、普段は冷静で落ち着きのある性格ですが、こと野球のことになると熱くなり、声を荒げる短気な一面もある少年です。ビビリな三橋とは会話が噛み合わないこともありますが、阿部は三橋を誰よりも気にかけており、三橋の体調管理を自ら行っていた時期もありました。

 また、とある理由から“投手不信”であったのですが……その理由はぜひとも漫画やアニメでチェックして欲しいです! そんな阿部は、データを基に相手チームを攻略する頭脳派で、時に相手の弱点を狙う・隙を狙うなど狡猾な作戦を立てることも。高校野球は勝たなければ次の日のマウンドに立つことは叶いません。例え狡猾だとしても、勝たなければ意味がない。そう理解している阿部の作戦はとても頼れるものなのです!

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 このような正反対な2人がバッテリーとして成長していく様が『おお振り』の魅力でもあります。最初は上手く意思疎通できなかった三橋と阿部が、次第にお互いを認め始め、信頼し、時には距離を置き、また近づく。そうして強い結束を持つバッテリーになる姿にぐっと心を掴まれてしまうのです!

【第2番】甲子園を目指す!だけど部員はたったの10名

 そんな三橋と阿部が通う西浦高校は、前年度までは軟式野球部しかなかったため、野球部は新説されたばかりです。そのため先輩は当然おらず、部員も1年生のみ。しかも10名というごく少数でチームを組んでいます。

 野球はプレイヤーが9人以上いれば試合に参加することができますが、仮にケガや体調不良で欠席した際には代わりが1人しか居ないという、ギリギリの状態で彼らは戦うのです。

 当時の野球漫画と言えば“圧倒的なエースがいる野球部”や“エースぞろいの最強野球部”が活躍するものが多い印象ですが、本作は“圧倒的なエースはいない普通の野球部(しかも1年生10名しかない)”が甲子園を目指すという、当時の野球漫画としては一風変わった作品です。

 だからこそ、ドラマチックな展開ばかりではなく、どこかノンフィクションのようなリアルな展開も多く、胸が締め付けられることも……。でも、それがスポーツ作品ならではの“泥臭さ”という魅力にも繋がっています。

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【第3番】部の監督を務めるのは20代の女性!

 野球チームの監督と言えばあなたはどんな人を思い浮かべますか? 特製のギプスを常に身に着けさせる熱血過ぎる監督や、普段はのほほんとしているお爺ちゃんだけどここぞという時に歴戦の知識を発揮するベテラン監督でしょうか。

 本作では、百枝まりあという20代の女性が監督を務めています。百枝は三橋たちが通う西浦高校の出身で、中学ではソフトボールの部員、高校では軟式野球部のマネージャーでした。そんな百枝はなんと野球部の監督経験はありません! しかし、貯金やアルバイト代を野球部につぎ込んだり、独自の練習方法を編みだしたりと人並み以上の熱意を野球部に注ぎます。さらに、高校時代のマネージャー経験から采配能力にも優れており、ノックや打撃の腕前もあります。

 そして、百枝が西浦高校の野球部を鼓舞する声、振る舞い、熱意は、部員たちとの信頼関係を生みだしており、百枝は監督という立場から部員たちに自信を与えてくれる存在です。個人的には作中で一番イケメンな存在だと思っています!

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【第4番】野球漫画によくある“ライバル”がいない

 野球漫画のみならず多くのスポーツ漫画には、特定の“ライバル選手”や“ライバル校”というものが存在します。しかし、本作ではそのライバルが存在しません。あえてあげるとすれば、武蔵野第一高校の投手・榛名元希(はるなもとき)でしょうか。榛名は、シニア時代まで阿部とバッテリーを組んでおり、無名だった武蔵野第一高校を一役有名校に押しやった凄腕の投手です。

 そんな榛名が所属する武蔵野第一高校を始め、様々な高校が西浦高校の前に立ちふさがりますが、特定のライバルというものは(自分の思い込みでなければ)やはりいないのです。

 それは、『おお振り』が“主人公とライバル”の対決を描いているのではなく、“選手自身の気持ち”との戦いに重きを置いて描いているからではないかと思います。劣等感や焦燥感、敗北感……といった様々な感情が立ちふさがるなか、それをどう乗り越え、次の自分に、チームに繋げていくかということに重点が置かれており、その描写がとても高校生らしいのです。個人的には“スポーツ漫画にはライバルが必要”という定説を崩された作品でもありました(とてもよい意味です)。

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【第5番】保護者が度々登場することに高校生らしさを感じる

 『おお振り』では、選手の保護者たちが練習を観に来たり、対戦相手の試合のビデオ撮影に協力するなど、保護者の姿が数多く登場します。思い返してみると中学や高校の部活でも、親が手伝いにきてくれたことあったな~と思うのですが、実際のその描写が描かれている作品はそこまで多くないような気もします。

 保護者が登場するという描写があることで、作中のキャラクターの高校生らしさを感じられる一因にもなっています。

【第6番】リアルな設定と繊細過ぎる心理描写

 “リアルな設定”と“繊細過ぎる描写”は、『おお振り』の醍醐味といってもいい部分。例えば、グラウンドを他の部活と分けあって使うという弱小チームあるあるな姿が描かれていたり、“ここで打たなければ負ける”という場面でピンチヒッターが三振をしてしまうという、ノンフィクションさながらの描写もあります。また、試合中における“ここで走るか、走らないか”、“相手選手の隙はどこにあるか”などの心理戦は思わず緊張してしまう程リアル!

 また、競合校からのスカウトを受けながらも過去に倒れた家族のために西浦高校を選んだ選手もいるなど、それぞれの選手の事情や思いにも注目です。

 本作は野球の試合展開がメインなのではなく、登場人物たちの心理描写を見ることで野球の面白さを知れる作品です。野球のルールが分からなくても楽しむことができますし、彼らの精神状態を推し量ることで感じられる熱意や緊張感を一緒になって楽しむこともできますよ。

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【第7番】三橋や阿部を始めとした登場人物たちの成長する姿が泣ける

 【第6番】でも記したように、おお振りは野球の展開がメインではなく、登場人物たちの心理描写が色濃く描かれている作品です。練習を積み重ね、試合に出場し、また練習を積み重ねる。そんな日々のなかで登場人物たちは、心身ともに逞しく成長していきます。

【第8番】野球素人の顧問考案!独特の練習法も『おお振り』ならでは

 グラウンドを他の部活とシェアしている関係から狭い場所でもできるトレーニングを行ったり、常にベストプレイをするには“メンタルが重要”との理由からメンタルトレーニング行うほか、最先端のスポーツ科学を取り入れたトレーニングを行うなど、担当顧問が野球素人だからこそ導入できた独特な練習方法が数多く登場。

 “根性”と“努力”で練習するのではなく、“科学”を用いた効率的かつ効果的な練習方法には、思わず「なるほど!」と感じさせてくれる新しさがあります。

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【第9番】見たら絶対にお腹が減る。食事シーンも見逃せない!

 走って、投げて、取って! 練習に明け暮れる彼らはとにかく腹ペコ。いつでも腹ペコ。そんな彼らの前に登場する食事は、まさに「高校球児!」といったボリューミーなものが多いのですが、それがどれも食欲をそそるんです!

 山のように盛られたご飯にたっぷりかけられたカレー、ぎゅっと握られたおにぎり、ハムエッグと納豆とご飯の朝ご飯セット……そのどれもが美味しそうで、気持ちいいくらいにガツガツと食べる彼らの姿も相まってものすごくお腹が空いてしまいます。

 現にリアルタイムで視聴していた際は、無性に白いご飯が食べたくなってしまいアニメを見ながら食べていたこともありました(笑)。

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まとめ

 今回は、『おお振り』の魅力を9つに分けてご紹介させていただきました。正直まだまだ語りたりませんし、9つでは語りきれないほどに『おお振り』の魅力はあります。

 ですが、2018年1月24日には『おおきく振りかぶってCOMPLETE Blu-ray Disc BOX』が発売され、2018年2月4日からは『舞台『おおきく振りかぶって』が始まるのですから、これからいくらでも『おお振り』について触れる機会があるはず!

 今後の『おおきく振りかぶって』の動向に注目しながらも、これまでのアニメシリーズを1から振り返ってみるのもおすすめです!

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DATA
■『おおきく振りかぶって COMPLETE Blu-ray Disc BOX』
公式サイト:http://www.oofuri.com/
公式Twitter:@oofuri_anime

【発売日】2018年1月24日(水)
【価格】32,000円+税
【品番】ANZX-12251~ANZX-12259
【本編収録話数】全38話(第1期:1話~25話、第2期:1話~13話)
【内容物】
・本編Disc×6枚、特典Disc×3枚(DJCD1 枚+『おおきく振りかぶって』『おおきく振りかぶって~夏の大会編~』オリジナルサウンドトラック2枚)
【完全生産限定版特典】
・キャラクターデザイン・吉田隆彦描き下ろしアニメ版権ジャケット仕様
・ブックレット
・オリジナルサウンドトラック CD
・新規制作 DJCD(代永翼&中村悠一出演)
【映像特典】
・ノンテロップOP&ED集
・未放送話
1期:特別編“基本のキホン”
2期:第12.5話“目標”
※特典・仕様は予告なく変更になる場合があります。
【発売】アニプレックス
【販売】ソニー・ミュージックマーケティング
【店舗共通特典】
・描き下ろしジャケット版権A3クリアポスター
・対象店舗:ANIPLEX+、アニメイト、ソフマップ(BD/DVD 取扱店及びドットコム)、とらのあな(一部店舗除く)、TSUTAYA RECORDS(※一部店舗除く)/TSUTAYA オンライン、Amazon(【Amazon.co.jp 限定】商品のみ対象)、楽天ブックス、セブンネットショッピング
※上記チェーンの一部店舗で取り扱いのない場合があります。詳しくは各店舗で確認してください。
【店舗別購入特典】
・ANIPLEX+:卓上スクールカレンダー
・アニメイト:埼玉県立西浦高等学校特製トートバッグ
(球技大会Tシャツ柄タグ4種付 三橋・田島・泉・浜田)
※特典内容は予告無く変更になる場合があります
※特典はなくなり次第終了となります。
※運用及び特典内容に関する詳細は各店舗で確認してください。

【STORY】

 「俺なんか…」と、すぐメソメソと泣くピッチャー・三橋廉。

 彼は中学時代、経営者の孫と言うことで“ひいき”でエースになっていた上に、マウンドを3年間ゆずらなかったことでチームメイトにきらわれ、悲しい中学時代を過ごしていた。自分のせいで野球部は負け続け、みんなも野球を楽しめなかった。

 その罪悪感から、彼は完全に自信を失い、人間不信に陥っていく。

 中学卒業後、エスカレーター式の三星学園を出、野球をやめる覚悟で西浦高校へ入学する。

 別の学校では、実力のない自分はもうピッチャーにはなれないだろうと思いながらも、その足はまっすぐに野球部グラウンドへ向いてしまうのだった――。

<CAST>
・三橋 廉=代永 翼
・阿部隆也=中村悠一
・花井 梓=谷山紀章
・田島悠一郎=下野 紘
・沖 一利=佐藤雄大
・栄口勇人=鈴木千尋
・巣山尚治=保村 真
・水谷文貴=角研一郎
・泉 孝介=福山 潤
・西広辰太郎=木村良平
・百枝まりあ=早水リサ
・志賀剛司=室園丈裕
・篠岡千代=福圓美里
・浜田良郎=私市 淳

<STAFF>
・原作:ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』
【第1期】
・監督=水島 努
・シリーズ構成=黒田洋介
・キャラクターデザイン=吉田隆彦
・総作画監督=吉田隆彦
・アクション作画監督=谷口淳一郎
・小物デザイン=鈴木卓也
・色彩設計=佐藤美由紀
・美術監督=渋谷幸弘
・撮影監督=老平 英
・編集=西山 茂
・音楽=浜口史郎
・音響監督=菊田浩巳
・アニメーション制作=A-1 Pictures
【第2期】
・監督=水島 努
・シリーズ構成=黒田洋介
・キャラクターデザイン=吉田隆彦
・総作画監督:髙田 晃=谷口淳一郎、吉田隆彦
・アクション作画監督=谷口淳一郎、満仲 勧
・小物デザイン=米澤 優
・色彩設計=中島和子
・美術監督=渋谷幸弘
・撮影監督=廣岡 岳
・編集=西山 茂
・音楽=浜口史郎
・音響監督=菊田浩巳
・アニメーション制作=A-1 Pictures

文:ちゃん子
©ひぐちアサ・講談社/おお振り製作委員会

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