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女性向けアニメ誌のパイオニア「PASH!」が通巻100号!これまでのマル秘エピソードを公開!
2017.06.10 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
初代&二代目編集長にインタビュー!休刊の危機も?
PASH!2007年5月号 隔月刊化第1号、
表紙イラストがまるで結婚式みたいと、大反響でした。
二代目編集長 春名 衛
◆2代目を担当するときになったときの心境を覚えていますか?
ムック時代のVol.2から参加したのですが、それ以前は、芸能雑誌、音楽雑誌が担当で、ほとんどアニメとは関わってきませんでした。ただ、PASH!に関わるようになって、初めてコミケに行ったとき、圧倒的な女性参加者の数を見て、これはいける!と確信しました。ただ、自分自身、アニメ、2次元への基本的知識がほぼゼロでしたので、それ以来、毎日録画したアニメを深夜2時間くらい観る、という生活が始まりました。原作にも触れなければと、30代後半になって、初めて『少年ジャンプ』を毎週読むようになりました。
先代から編集長のバトンを渡されるまでは、PASH!はいくつかの雑誌や単行本を作っている大きな編集部の一部でしたので、単独の編集部として「女性向けアニメ雑誌」1本でどこまでできるか、心配でしたが、なんとかここまで続けることができました。
◆『進撃の巨人』『おそ松さん』『ユーリ!!! on ICE』などをどこよりも早く特集し、完売&重版となったこともしばしばありました。また、男性声優に特化したインタビューページもPASH!が初でした。いろいろと思い出深いエピソードがあると思いますが、そのなかでも印象に残った出来事を教えてください。
業界内でも「女性向けアニメ雑誌」が初めてだったので、始めの頃は記事作成でなかなか苦労したこともありました。某モビルスーツで有名なアニメスタジオに版権イラストを発注すると窓口の方に、「本当にモビルスーツなしでいいんですね?」と念押しされたり、メカの資料はたくさん届くのですが、キャラクターの資料がなかなか届かず苦労したこともありました。
PASH!2013年8月号 表紙は『進撃の巨人』。本誌初の重版を記録。
また、同じアニメスタジオの話ですが、主人公がオジサンキャラクターのバディーものという某アニメ作品の資料を放送前にいただいたのですが、「これは絶対女性に人気が出る!」と確信しまして、すぐアニメムックの出版をオファーしました。実際に放送が始まってから、大人気となり、各社からオファーが殺到したようなのですが、スタジオのご担当者が、「オリジナルアニメなのにPASH!さんが放送前から申し込んでくれたから」と、一番最初に申し込んだことを意気に感じてくださって、まだあまり実績がなかった弊誌が最初の出版権を獲得出来たときは、とても嬉しかったです。
あと、当時よく耳にしたのですが、版権イラストを描いてくださる女性アニメーターさんには「PASH!の表紙ならぜひ描きたい!」と、仰っていただける方が多かったそうです。そのせいか、編集部の予想を越えた素晴らしいイラストもたくさん描いて頂けました。
PASH!2008年5月号(創刊1周年記念号)
ロロの右手とルルーシュの左手の絶妙な位置に、
当時のファンが騒然となりました。
◆二代目の編集長になって5年。女性ファンをターゲットにしたコンテンツ業界の変化を、どう感じていますか?
僕がPASH!に関わり始めた頃は、女性をターゲットにしたアニメというのはとても少なくて、『ガンダム』や『マクロス』といった男性向けと思われる作品の中から、女性たちが面白い部分を見つけ出している、という状況でしたが、いまは、完全に女性向けの作品もたくさんありますし、男性向け作品であっても、女性からの支持を取り込むための施策をしているのを見ると、ここまで女性たちのファン層が拡大したかと、感慨深いものがあります。
◆今だから話せるマル秘エピソードがあれば、教えてください。
PASH!は、弊社の中でも初ジャンルの雑誌だったため、何度か危機がありましたが、その当時の社長がたまたま何かの会合で、某アニメ関連ショップチェーンの社長さんとお話しする機会があり、「PASH!は絶対伸びる、やめたら後悔しますよ!」と言われたそうで、会議のときに、このエピソードを引き合いに出して、継続の判断をしてくれました。また、当時のPASH!営業担当の女性が、取引先の窓口の方との商談のたびに「PASH!は定期雑誌にしないともったいない」と言われると、会議があるごとに話してくれたことも、定期雑誌化への大きなきっかけになりました。読者の皆様からの応援はもとより、権利元の皆様流通関連業者の皆様や、編集、製作スタッフや多くの皆様からのご協力があってこそ、続けてこれたと思います。
最新号のPASH!2017年7月号。表紙は『活撃 刀剣乱舞』
◆15年、20年を目指し、これからやってみたいと思うことはありますか?
いま、PASH!、Cool Voice、2D☆STARといった紙の雑誌とPASH! PLUSという情報サイトの運営などをしていますが、今後、英語、中国語などのサイトを作るなどして、世界に向かって発信していきたいですね。新規事業としては、PASH!に掲載される版権イラストをいち早く使ってアニメグッズ化する、「PASH!セレクション」というブランドも立ち上げました。小説レーベルの「PASH!ブックス」も始めています。このPASH!ブックスの中から、アニメ化作品を育てて、PASH!セレクションからグッズを発売し、PASH!ブックス発のアニメをPASH!の表紙にするのが夢です。
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