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映画『文スト BEAST』橋本祥平さん&鳥越裕貴さん対談インタビュー。アクションシーンはほとんど“アレ”なし!?
2022.01.01 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
『文豪ストレイドッグス』は現在シリーズ累計850万部(電子含む)を突破しアニメ化、舞台、劇場アニメーションとメディアミックスを展開する大ヒット作品です。そして2022年1月7日(金)にシリーズ初の実写映画『文豪ストレイドッグス BEAST』が公開されます。
脚本を原作者の朝霧カフカさんが手掛け、キャストは舞台『文豪ストレイドッグス(通称:文ステ)』を演じてきた俳優陣がそのまま出演することでも話題に。そんな本作では、「主人公の中島敦と、その宿敵である芥川龍之介。もし、ふたりの所属する組織が逆だったら……?」という本来の「文豪ストレイドッグス」シリーズの世界線とは異なる、“if”のストーリーが描かれます。今回は芥川龍之介役の橋本祥平さん、中島敦役の鳥越裕貴さんに、映画への想いや撮影の裏側のエピソードなどさまざまなお話を伺いしました!
※インタビュー中は敬称略。
芥川龍之介役・橋本祥平さん中島敦役・鳥越裕貴さん対談インタビュー
――実写映画化の発表から2年、ついに公開という心境を教えてください
橋本:やっと皆様にお届けできる、という気持ちです。コロナ禍でスケジュールが延期になってしまい、もどかしかった一方で、悪い事だけではなかったかなとも思っています。
例えば、延期の間には、舞台『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』の公演があり、さらにキャラクターに近づけたという実感がありました。今だからこそ、より良い映画になったと思います。
鳥越:あの有名な歌の「会いたくて会いたくて震える」って本当にあるんだなと(笑)。この気持ち、今までわからなかったんですよ。ほんまに恋愛感情みたいに、完成した作品に会いたくて、観たくて。制作の方もじらしてくんですよ。僕自身もまだ完成品を観ていないんです。
最初の特報を観ただけで「うわー」ってなったのに、本予告をちらっと観たらそれを超えて、「わぁー!」って、そしてアフレコではもう、「ああぁー!!」って。もう、この作品に恋してます。早く劇場で完成版の臨場感を味わいたくて震えています!
――今回、ふたりの立場が逆になっていますが役作りに影響はありましたか?
橋本:芥川を取り巻く環境が違うので、役作りのアプローチが変わる部分は確かにあるのですが、それよりもこれまで「文ステ」で積み上げてきた芥川というキャラクターを出そうとしました。自分から変えるのではなく映画や武装探偵社という周囲の環境で変化する芥川を見せられたらいいな、と。
――実際に演じられて舞台と違った部分はどこでしたか?
橋本:「文ステ」の芥川は常に殺気にあふれた印象ですが、映画ではもちろん殺気もありつつ、武装探偵社にいることで僕がこれまで芥川として見せたことが無い表情があるんだと、僕自身が撮影を通して気づきましたね。
鳥越:僕は舞台ではツッコミにまわって新喜劇みたいなことをやっていたのですが(笑)、映画ではそれをそぎ落としました。それでも敦の気持ちが爆発するときの熱量、素直さは変わっていないと感じました。
何より舞台のキャストでの映画というのがやりやすくて。関係性が築けていたから、アクションも気を遣わずにパワフルなものができたのかなと思います。
――今回は原作者の朝霧カフカさんが脚本を手掛けられました。最初に脚本を読んだ印象はいかがでしたか
橋本:まず、朝霧先生に脚本を書いていただけるということ自体が本当に贅沢なことだと思います。先生らしい美しい言葉が散りばめられていて、一度読んだだけでは言葉を読み解くのが難しくて。
まず一度読んで、全体をつかんでから読み直して……。読めば読むほど発見があるというのがすごいところだなあと思いました。
鳥越:脚本を読むといつも言葉遊びも素敵で、日本語の美しさを表現されていてすごいなと思います。朝霧先生は実際に現場に来て、いろいろと話しかけてくださって、やりやすいように気も遣ってくださって……。
舞台でも、その場その場でオリジナルの言葉を生み出してくださるので、原作者でありながら作品の神様というよりも……親近感のあるパパのような存在です(笑)。
――撮影中におふたりで話し合ったことなどはありますか?
鳥越:芝居に関してはありませんが、アクションの難しさはお互いに感じていました。あえて、大きな動きを付ける舞台とは違って、映画では本当に接触をするアクションシーンもあって、僕はようやくリアルに殴ることができたという気持ちなんですが、ただ(橋本さんが)本当に優しいから遠慮がちで。「来い!!」ってアニマル浜口さん並みに何度も言いましたね。
橋本:攻撃を受ける分には大丈夫なのですが、自分からというのがなかなか難しいですね。どうしても怖さがあって……。そこが今回のアクションシーンの最初から最後までの課題でもありました。
でも、そこで加減して撮り直しとなったら、それこそご迷惑をかけしてしまうので「一発でしとめたい!」という気持ちで挑みました。……でもなかなか恐怖心とはずっと戦っていました。
鳥越:これだけは言っておきたいのですが、映画というとスタントの方が入る場合もあると思いますが、この作品はほとんど自分たちでやったよね!
橋本:やりましたね!
鳥越:最初に台本を読んで、ここはスタントじゃないの? というところまで自分たちでやっています。
橋本:結構長いアクションを撮り終えて、じゃあ続きの、となってもまだその全体のシーンのたった3割ということもありました。さっきまでやっていたことを一度全部忘れて、その場でまた次のアクションを頭に入れていく、という連続だったのでプチパニックは起きていました(笑)
鳥越:最後のほうに、そんなやり取りにも慣れてくるとそれこそ異能力のような感じでしたね(笑)。ただ、アクションは得意分野なので、もっとやりたいなという気持ちもありました。
――本作ではワイヤーアクションのシーンもありますが、いかがでしたか?
鳥越:10分ほど少し慣れさせてもらったら、すぐ撮影開始という感じでしたね。
橋本:あんなスピーディーな現場は初めてだったので、最初はもうダメかもって……。
鳥越:祥平のあんな顔は初めて見たよ! 目で訴えるどころか演じながら「ダメだ」ってもうちょっと声が出ちゃってたもん(笑)。
――それぞれ改めて演じられているキャラクターの魅力を教えてください
橋本:まっすぐ正面だけをみているところ。行き過ぎるときもあるんですけど、決めたことに向かってつき進む姿は僕自身も見習わないといけないと思います。
そして今作では特に妹を大切にしているところですね。やっぱり家族を大事にしている男って素敵ですよ。そういう人って強いと思います。
鳥越:敦にしか言えない、純粋な想いから出てくる言葉がたくさんあるんです。そういった言葉が太宰さんや周囲の人物を動かしていくんですね。素敵な縁というか……朝霧先生の匠さを感じますね。
――ふたりの関係性はどう感じましたか
橋本:やっぱり犬猿の仲というか、このふたりの関係性だけはどの世界線に行っても変わらないのかなあと思いますね。
――では、お互いの演技はどう見ていましたか?
橋本:芥川と敦はずっと舞台でも殺し合ってきた仲ですが、今回の敦はとても自然体な感じがして。いつもと違う敦を、こんなふうに演じる鳥君は新鮮だなあと思いました。普段はどこかにかわらしい要素もあるんですけど、映画ではめちゃめちゃカッコよかったです!
鳥越:そんなにカッコよかった? なんで? (笑)
橋本:やっぱり(あごが隠れている)襟が大事です(笑)。
鳥越:おい(笑)。“if”の世界でこれだけお互いの環境が入れ替わっているにも関わらず、最初こそ新鮮だけど、そのあとは違和感なく芝居ができるのがすごいなって思います。この感覚はすごくおもしろかったですね。
――監督から特にディレクションなどはなかったのでしょうか
橋本:お芝居については基本はお任せ頂いていました。本読みの段階で、監督がすごく原作を読み込んでいらっしゃって、朝霧先生にも細かく確認されていました。作品を愛しているからこそ、舞台で演じてきた僕たちを信じてくださって。
鳥越:監督とキャストの信頼関係ができていたのでやりやすかったですね。
橋本:アイスを買ってきてくれたりして。
鳥越:買ってくれたね。ちゃんと食べたいときにアイスがあるんです(笑)。
――和気あいあいとした雰囲気だったんですね
鳥越:オンオフがとってもはっきりしていました。あんなに穏やかな現場は初めてかもしれないです。
橋本:本当に! スタッフさんが皆さん一流なので、ほとんど押すことがなくてとてもスムーズに撮影が進んでいきました。
――ふたり以外に注目してほしい登場人物はいますか?
橋本:映画のストーリーとしても重要な役どころである妹の銀(紺野彩夏)ちゃんです。この作品でようやく妹と一緒にお芝居ができて嬉しかったですね。紺野彩夏さんは普段、映像で活躍されている人なので、また違う雰囲気をまとっていて新鮮でした。
鳥越:僕はやっぱり孤児院の院長でしょうか……。シーンは特にとてもシリアスでずっとピリついていました。本作は“if”の世界ではありますが、これまでの「文ステ」でも描かれてきた敦の過去を作った院長とのシーンができたのはすごく感慨深いですね。
――撮影中の印象的なエピソードがあれば教えてください
鳥越:僕のクランクアップが横浜で鏡花(桑江咲菜)ちゃんとのシーンだったんです。撮影が終わった後にクレープを食べたいと言って、鏡花ちゃんと監督と食べました。撮影後にそんなことが出来るというスケジュールにも感謝しますし、すごく良い思い出になりました。
橋本:沢山の子どもたちと一緒に撮影したた現場です。僕自身はそれまで子どもが得意じゃないと思い込んでいたんです。でも、そのなかの女の子が「お兄ちゃん!」となついてくれて、ずっと「せっせっせのよいよいよい」をやって一緒に遊んで。かわいいなぁと思いました。
でもね、それ実は、宮沢賢治役の堀之内仁さんにもやってたんですよ……(笑)。あの子はきっと大物になると思います。
――今回の撮影を経て、今後やってみたい役などありますか?
橋本:「文スト』はお互いのキャラクターが敵対している関係性ですが、ふたりでチームワークを合わせてこなしていくバディものというのもやってみたいですね!
鳥越:僕はもう、なんでもやります。下の世代には負けてられないので、なんでもできるような役者になっていきたいなと思っています。
――最後に映画を楽しみにしている読者の皆さんにメッセージをお願いします
橋本:長らくお待たせしました! ようやくみなさんに銀幕でお披露目できることを嬉しく思います。SNSの書き込みなどで、もう映画の予告を観て「テンションがあがった」、「早く見たい!」という声があってとても嬉しいですし、その期待を裏切らないクオリティーでお届けして満足して楽しんでいただけたらと思っています。全員が愛を込めて作った作品なのでぜひ、刮目してください!!
鳥越:“映画”『文豪ストレイドッグス』言うてますけど、ちゃんと舞台で一緒にやっていたキャストなので、『文ステ』ならではの勢いや熱量がそのまま生きていています。
そういった『文ステ』愛も詰まったうえで映画としておもしろさも詰まった作品に仕上がっていると思います。どんどん映画館に足を運んでいただけたらと思います!
(撮影・文/松井美穂子)
映画『文豪ストレイドッグス BEAST』作品概要
【公開時期】
2022年1月7日
【キャスト】橋本祥平
鳥越裕貴
谷口賢志
田淵累生
紺野彩夏
桑江咲菜
植田圭輔
輝馬
長江崚行
桑野晃輔
堀之内仁
広川碧
齋藤明里
村田充
岸本勇太
南圭介
荒木宏文
【原作】
角川ビーンズ文庫「文豪ストレイドッグス BEAST」
【監督】
坂本浩一
【脚本】
朝霧カフカ
【音楽】
岩崎琢
【主題歌】
GRANRODEO「時計回りのトルク」
【配給】
KADOKAWA
(C)映画「文豪ストレイドッグス BEAST」製作委員会
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