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TVアニメ『ゴールデンカムイ』小林親弘さん&津田健次郎さんスペシャル対談。この作品の魅力とは?

2022.06.01 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

杉元の人間性を支える、アシリパさんの存在の大きさ

 発売中のPASH!7月号ではTVアニメ『ゴールデンカムイ』の特集を掲載しています。ここでは、杉元佐一役・小林親弘さんと尾形百之助役・津田健次郎さんのスペシャル対談の一部をご紹介。

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物語もキャラも魅力的すぎて、何から話していいか迷う!スペシャル対談

――読者にも大人気の『ゴールデンカムイ』。おふたりにとってこの作品の魅力とは何ですか?
小林 キャラも世界観も魅力的すぎて、もう何から言えばいいのか。いくつものジャンルを縦断していて、幅広い楽しみ方ができますよね。かなり男くさいドラマなので、男性ファンが大半なんだろうなと思っていたら、意外にも女性ファンが多くて驚きました。

 知人の女性にも大好きだという人がいるので、どこがいいの?と訊いてみると、「キャラがカッコいい」と言うんです。今、世の中で話題になっている作品で、『ゴールデンカムイ』ほど骨太で屈強な男たちが登場する作品はあまりない、と。言われてみれば、確かにそうですね。

津田 そうだね。僕は『ゴールデンカムイ』に関して、世の中の流行とまったく関係のないこんな超骨太な作品が出てきたのが面白いと思います。ストーリーも予想外な展開の連続で、そこには毎回、必ず面白キャラがいる。

小林 そのキャラクターの突出具合がすごい。半端じゃないですよね(笑)。それにしても、なんでこんなに女性にウケているのか、正直分かる部分と分からない部分があります。

 例えば、杉元とか尾形とか、キロランケが好きって言われると、素直に「カッコいいもんな」って思えるんですけど、知人の女性は、辺見のようなかなり振りきれた明らかにおかしなキャラが大好きだと言うんです。「大丈夫それ!? どうしたの?」って正直心配になる(笑)。

津田 確かにそれはちょっとヤバい気がするかも(爆笑)。
小林 でしょう!? いったい彼らの何がよくて彼女のどこに響いているのか、正直すごい謎ですね。
津田 僕の身近にも『ゴールデンカムイ』にハマってる女性は何人もいますね。僕の周りは尾形推しが多いかな。
小林 尾形、女性に人気ですよね…みんな、第一声は「尾形が好き」って言う。なんで尾形ってあんなにモテるんでしょう。

――キャラクターの魅力という点では、おふたりがご自身の演じるキャラについてはいかがですか?
津田 尾形は、最初はモブキャラ感が漂う登場でしたよね。一瞬で杉元にやられて退場して、あれで終わりかと思いきや、髪を伸ばしてダンディになって帰ってきた。そのギャップに加え、何を考えてるかわからないミステリアスさもあったり、一方でなんだか力が抜けていて、かわいいところもある。

小林 尾形がかわいい!とファンの皆さんからもよく聞きますね。僕は、尾形には、冷酷さと強さが同居したヒールのカッコ良さがあると思います。それでいて、行動の端々に妙な愛嬌があるっていうのが、女性にはグッと来るのかも。とはいえ、僕は彼とはちょっと友達にはなれそうにないですが(笑)。

津田 杉元や谷垣ならいいけど、尾形は友達にはなれないね。
小林 なんか、LINEの既読スルーとかしそうな気がする(笑)。
津田 確かに! 「返事しなきゃダメ?」って、しれっとね。杉元の魅力に関しては、どうだろう?

小林 杉元の魅力はいっぱいあるんですけど、一番はやっぱりギャップじゃないですか? すごく爽やかな笑顔を見せたり、ギャグシーンでは女の子みたいな言葉が出ちゃったり、それなのに、躊躇なく人を殺したりもする…若くして、これだけいろんな面を持ち合わせた人はいないですよね。そこがすごく魅力的だと思います。彼は、戦争がなければきっと素直な好青年で、何事もなく梅ちゃんと結婚していたんじゃないか…なんて考えたりもするんですけど、現実では、戦争を経験したことで、人間としての杉元はどこかで壊れてしまう。

 でも、アシリパさんとの出逢いが、彼に人間性を取り戻させてくれた。孤独に生きてきた杉元にとって、これまで大事にしてきたのは梅ちゃんと寅次ぐらいで、きっと彼には人との繋がりを持つ自信がない。アシリパさんと出逢った当初も、梅ちゃんと寅次のため、金塊を探すために彼女を利用しようという考えがあったと思います。でも、小樽で第七師団に捕らえられて、アシリパさんに救われ諭されて「彼女のために生きよう」と気持ちが動いたと思うんです。

 不死身と言われていても、杉元は「自分は幸せになる資格はない」と常に考えている。そんな彼がいろんなシーンでアシリパさんに諭されて「俺、生きていていいんだ」と思い直せている。アシリパさん、精神的な意味でも、孤独な杉元のすごくいい相棒になってくれてますよね。…そういえば、「孤独」という点では、杉元と尾形って共通しません?

津田 それは確かにそうだね。杉元は、戦争で決定的に大事な何かが欠落してしまったけれど、アシリパさんといることで、ぎりぎり人間らしさを保っているし、むしろ人間として更正しているようにも見える。アシリパさんは彼の本当にいい相棒。対して尾形は、同じ「孤独」でも圧倒的にクールだし、もっとひねくれている。

 杉元には、梅ちゃんや寅次という心を通わせる存在があったし、今も心の深いところで人を求めていると思うんですが、尾形はそうじゃない。尾形のほうが本当にひとりきりで、圧倒的に孤独。自分が心を通わせる人は「いたら邪魔だし、どうせ裏切られるわけでしょう」と言い切ってしまえるくらいの冷たさがあるような気がする。

――今後の杉元、尾形に期待することを含めて、読者へメッセージをお願いします!
小林 杉元にはとにかく一言、幸せになってほしいです、本当に。金塊見つからなくてもいいから、杉元には孤独から抜けだして、自分の人生に自信を持ってほしい。

津田 アシリパさんと梅ちゃんと、3人で暮らせばいいんじゃない?
小林 それはそれでおかしなことになっちゃいそう(笑)。読者の皆さん、きっとこの先を楽しみにしてる方がたくさんいると思います。期待を裏切らない面白いシーンが次から次へといっぱい出てきますので、ぜひこれからもお楽しみください。頑張りますので、応援をよろしくお願いします。

津田 何を考えてるかよく分からない尾形ですが、実は結構、作中の今現在の状況を楽しんでいる気がします。人と接することで、少しずつ変わり始めていますし。今後も、自分の楽しみを貫いて、尾形らしく生きてもらえたらなと思います。

 今後も各キャラが大活躍して、物語がガンガン前に進んでいきますので、読者の皆さんにはぜひ一話たりとも逃さず見ていただけたら本当に嬉しいです。僕も、皆さんの尾形の台詞への期待に応えられるよう頑張ります。

(※PASH!2018年7月号より抜粋)

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PASH! 2018年 07 月号 [雑誌]

©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

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