EXILE/FANTASTICS世界さん×『アイドルマスター SideM』振付師Yusukeさん対談インタビュー！『Study Equal Magic!』や『MOON NIGHTのせいにして』など、世界さんが好きな振りについて切り込みます！

　アニメ、漫画、ゲームなどのカルチャーに精通するEXILE/FANTASTICSの世界さんが、ご自身の「好き」を突き詰める『少年セカイのススメエンタメ道』がPASH!にて好評連載中。今回は特別に、2023年8月号に掲載された記事を抜粋してお届けします！

　ゲストは、『アイドルマスター SideM』などの振付を担当されているYusukeさん。踊りに精通するおふたりだからこそできた、濃密なトークをお楽しみください♪

「『MOON NIGHTのせいにして』は 全てが完璧だと思っています」【世界】

Ｙｕｓｕｋｅ（以下、Ｙ）　いま「僕でいいの？」ってすごく変な汗をかいてるんですけど、お会いできて嬉しいです。よろしくお願いします。

世界（以下、世）　『アイドルマスター SideM』（以下、『SideM』）関連の動画を観ていて「この振付面白いな」と思って調べたら、Ｙｕｓｕｋｅさんのお名前が出てきたんです。ずっとお話したいなと思っていたので、ＰＡＳＨ！さんの力をお借りしてゲストに来ていただきました！　振付師になったのは、なにがきっかけだったんですか？

Ｙ　あるとき『アイドルマスター』の他ブランドの振付を担当されている先生から「やってみませんか？」と声を掛けていただいて、『SideM』の振付を担当することになりました。当時は正直右も左もわからなかったから、本当に手探りで。動画サイトでいろんなダンスを観ながら研究していましたね。

世　振付って、どのパートから作ることが多いですか？

Ｙ　いま実践しているやり方としては曲の肝となる部分や、「この歌詞面白いこと言ってるな」って印象的なパートを探してそこに合うようなものから…というのが多いです。

世　『SideM』ってすごく明るいけどメッセージ性が強くて、いい意味で反比例しているインパクトの強い曲も多いなって感じます。

Ｙ　そういう意味だと『Café Parade!』とかは行ったり来たり感が強いし、遊び心でいうと『Study Equal Magic!』とかも面白いですよね。『Study Equal Magic!』は、ちょっと面白くしてくださいっていうオーダーをいただいたこともあって、曲のなかにあるヒントを拾い上げて王道からは外した路線でまとめたんです。イントロで左右にステップを踏みながら腕を回すところも最初は顔を上げていたのですが、それだとつまらないから下を向いたら「こっちの方がいい！」ってなったりして（笑）。

世　そういう直感って大事ですよね。『Study Equal Magic!』は本当に革命的な曲だなって思うし、踊ってみると自分のなかにある動きもあれば、ないセオリーもあって本当に面白いです！　あれは思わず真似したくなりますよね。
Ｙ　当時、リリイベで初見のお客様が一緒に踊ってくださって、すごく嬉しかったのを覚えています（笑）。でも、僕からしたら、世界さんのダンスが本当にすごいですよ！　全員で踊っていても、みんなが入れてない動きをめちゃめちゃ入れてて他の人の５倍は踊ってますもん。胸前スペースの動きの密度とか、本当にすごい！

世　そこはダンサーにしかわからない世界ですよね。普通の人からすると「なんかいっぱい動いてるけど、何で動いてるのかわかんない」ってなる、ダンサーあるあるというか（笑）。

Ｙ　本当にすごいです！

↑3rd LIVE TOURより。イントロからインパクト抜群の振り付けで、初見で度肝を抜かれること間違いなしだ

世　振付を作るときは、どんなことを特に意識されますか？

Ｙ　自分は声優さんの楽曲を担当することが多いので、ダンス経験のない方でも踊れる動きを中心にして、あまりダンスっぽくならないように心掛けてます。その代わり、手振りや分かりやすいポーズを取り入れてライブで一緒に盛り上がれるように工夫したり。世界さんはどうですか？

世　デビュー当初は楽曲の制作者さんやＨＩＲＯさんが持っているイメージを確認しつつ、メンバーそれぞれの良さを引き出せるようにバランスを考えていたのですが、最近は任せてもらえることが増えたのでメンバーの持ち味と曲のイメージを融合させる方向で作っています。で、Ｙｕｓｕｋｅさんと一緒で「これ、横を向いてた方が面白いな」って謎に横を向かせてみたり、 謎に前ふたりだけしゃがませてみたり（笑）。ただ、ベースの振りはあるけれど、味付けはそれぞれ好きにやってもらうことが多いです。『SideM』だと、メンバーが多いからそういう部分の調整も大変そうですよね。

Ｙ　基本的にはアイドルの個性や特徴に当てはめて作ってます。あとはライブで歌うときにそのアイドルの声を担当しているキャストさんのほうから「こうしたい」って相談を受けて、方向性や見せ方を一緒に考えることも多いですよ。

世　声優さんも自分であって自分じゃないみたいな感覚があるはずだから、どうパフォーマンスするかは大事な部分になりますよね。

Ｙ　そうなんです。だから振りの意味や理由付けを尋ねられたりもします。そういう意味では特徴的な設定があるアイドルはやっぱり振付でも特徴を出しやすいかな？

世　僕、個人的には『MOON NIGHTのせいにして』がすごく好きで、全部完璧だなって思うんです。語弊があるかもしれないですが、「これぞ『アイドルマスター』！」っていう雰囲気があるし、アイドルやキャストさんの良さがバチッと引き立っていて…。それをさらに増幅させているのがあの振付だなと！　もっともっとライブで披露してほしいなと思っている一曲です。「DO WAH DO WAH〜」の部分とかも簡単な動きだけれど、曲のなかで確実にポイントになっていますよね。僕からは絶対に出ない振りだからすごく勉強になったんです。

Ｙ　ありがとうございます。僕もイントロの腕を回す振りのマッチ感とか個人的に好きな曲です。というか、実は僕も世界さんたちの映像で勉強させてもらっているんですよ。これまでがっつりフォーメーションを組むような見せ方というのはやったことがないので、今いろんな映像を観ながら研究中で。

世　フォーメーションは、やっぱりグループ表現の強みになる部分ですよね。僕は誰がセンターになっても、誰がシンメに来ても「僕らならいけるっしょ！」っていう気持ちで自由度高めに組んだりしてるから、いざ広い会場でやったら４カウントで真逆のポジションに猛ダッシュで着かないといけない…みたいな誤算もたまにありますけど（笑）。でも逆に、そのギリギリ感がめっちゃ良かったりもして。

Ｙ　わかります！　そのギリギリ感が曲のポイントにハマると、めちゃめちゃ気持ちいいですよね。

↑3rd LIVE TOURより。「おいで」の破壊力に心を奪われたプロデューサーも多いはず

世　Ｙｕｓｕｋｅさん的に印象深かったライブも聞いていいですか？

Ｙ　『THE IDOLM@STER SideM 2nd STAGE』かな。キャストの方々がどんどん上手くなって、バチバチに踊っていた印象が強いですね。

世　何千人、何万人規模の人の前に立つことになるから本当に大変ですよね。

Ｙ　みなさん本番ギリギリまで裏で練習していらっしゃいます。僕はステージ本番中は、お客さん側から観ているのですが、「頑張れ！」って思ったり、純粋に「すごい！」って思ったり、お客さんの反応を見て「よっしゃー！」って思ったり…ライブ中はいつも気持ちがあっちこっちに行って忙しいです（笑）。コロナ前までは公演が終わると、「お疲れさま！」って毎回みんなでハグしてました。

世　うわ〜、『SideM』の魅力爆発じゃないですか！　コンテンツの良さと現実がリンクしてるし、声優さんとアイドルの相乗効果がすごい！　あとやっぱり、アイドルとして意味を持って動いてるところが通常のパフォーマンスとは大きく違うんだろうな。ストリートダンスだと、特に意味はないけどカッコイイからやるっていう動きも多いじゃないですか。前に『Choo Choo TRAIN』のイントロのあの動きが電車由来なのかを振付師さんに聞いてみたことがあるんですけど、「特に意味はない」って言われて…それは冗談で、もっとちゃんと聞いたら別の答えが返って来たかもしれないんですけど（笑）。

Ｙ　でも、あの動きって確実に盛り上がるポイントになりますよね。実は以前、S.E.Mで『Study Equal Magic!』をやったときに、『Choo Choo TRAIN』にならってちょっとグルグルさせてもらったことがあるんです。

世　え、あれってそうだったんですか!?　でもそうやっていろんなコンテンツでみんなが楽しんでくれることを、きっとＨＩＲＯさんたちは喜んでくれていると思います。いやぁ、お話を聞いてると本当にライブに行きたくなります！　自分たちのライブやイベントと日程が被ってしまうから、なかなか行けなくて。配信では観ているんですけど、やっぱりライブは生で観るのが一番だし現場でキャーキャー言いたいです（笑）。

Ｙ　踊れるようにスペース空けておくので、ぜひ（笑）。

世　めちゃめちゃ邪魔な客になっちゃうじゃないですか（笑）。さて、今後はどんなことに挑戦したいですか？

Ｙ　いまこういう環境でお仕事させていただいているので、もっとダンスを通じてエンタメの枠を広げていけたらいいなって思っています。あと、ずっと踊っていたいというベースの気持ちは昔から変わっていないですし、内田さんのバックダンサーなどもやらせていただいているので、僕を必要としてくださる方がいる限りはダンサーとしてステージに立つことも続けていきたいです。

世　僕としてもＹｕｓｕｋｅさんが振付師として、ダンサーとして、もっと表に出てくれたら本当に嬉しいし、いつか一緒に振りも作ってみたいです。あとは、『MOON NIGHTのせいにして』を一緒に踊りたい！（笑）

Ｙ　機会があれば、ぜひ！　世界さんのダンスは本当にすごいし、誰かがダンスを始めるきっかけになる存在だと思います。だからずっとトップを突っ走って、沢山の人にダンスの魅力を届け続けてほしいです！

（※PASH!2023年8月号より一部抜粋）

Text＝犬飼かおり

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世界さんprofile

せかい　LDH所属。FANTASTICSのリーダーで、EXILEと兼任し活動中。圧倒的なダンススキルで人気を集めるほか、オタクカルチャーにも精通しており、『劇場版シティーハンター 天使の涙（エンジェルダスト）』ではゲスト声優を務めるなど、活動の場を広げている。

Yusukeさんprofile

ハートカンパニー所属。『アイドルマスター SideM』や内田雄馬の振付を担当するほか、モーションアクターやダンサーとしても活躍している。

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