EXILE/FANTASTICS世界さん×漫画家・イラストレーター・アニメーター麻宮騎亜先生対談インタビュー！ 先生がイラストを描いている時に聴いていたFANTASTICSの曲は？

　アニメ、漫画、ゲームなどのカルチャーに精通するEXILE/FANTASTICSの世界さんが、ご自身の「好き」を突き詰める『少年セカイのススメエンタメ道』がPASH!にて好評連載中。今回は、BATTLE OF TOKYO 「超東京拡張展」開催を記念して、TEKUのイラストを担当された漫画家・イラストレーター・アニメーターの麻宮騎亜先生をゲストにお迎え！　PASH!PLUSの記事は撮り下ろしオフショット付き＆発売中のPASH!６月号とは一部異なる内容になっていますので、あわせてお楽しみください♪

描き下ろしイラストには『サイメビ』の要素も

世界（以下、世）　麻宮先生とは文化放送超！A&G＋『和田昌之と尾崎由香と世界のWADAX Radio』でご一緒していて、BOTの企画も携わっている和田さんの紹介でご飯に行ったのがきっかけで仲良くさせていただいて、ラジオに来ていただいたり、僕の誕生日イベントにも参加していただいたんですよね。

麻宮（以下、麻）　そうそう。『サイレントメビウス』のイラストを描いて持っていきました。

世　『サイメビ』は子供の頃からの憧れが詰まった作品だったので、すごく嬉しかったです。世界観がガッツリSFで、そこにエスパーとか警察も出てくるし、スリルやグロさもある。しかも敵が登場して…って、本当にいろんな要素が詰まっていて、僕が大人の漫画の世界観に触れたきっかけでもあったからすごく印象深いんですよ。主人公の香津美・リキュールはすごく一途で真っ直ぐだし、途中で闇落ちしてしまうけど、その気持ちに共感できる部分もあったりして。だから、そうした素晴らしい作品を生み出した先生に『BOT』のイラストに参加していただけたことをすごく光栄に思ってます。

麻　僕は逆に「僕でいいの？」って思ってました。沢山のイラストレーターの方々の素敵な作品ばかりなので。

世　喜びの声ばかりでしたよ！　SNSで参加クリエーターが発表されたときも、すごい反応でしたし。

麻　「なんで麻宮なんだ？」って思った人もいましたよね、きっと(笑)。

世　確かに、LDHと麻宮騎亜ってパッと繋がらないですもんね。「これ絶対、世界さんとか壱馬（THE RAMPAGE）が考えたでしょ？」って、僕自身めっちゃ言われましたもん(笑)。実のところ、僕の方から提案という形で何名かクリエーターさんの候補を企画段階で出させてもらったんです。特に『BOT』は“超東京”が舞台になっていて、サイバーパンクやＳＦの要素もあるから麻宮先生とは響き合うところがあるなって思ったし、絶対にすごいイラストになるっていう確信も僕的にはあったんですよね。でもそれは公私混同とかじゃなくて、純粋に『BOT』の世界や、TEKUじゃなくてもいいから『BOT』のキャラクターを麻宮先生に描いてほしいという願望だったので、まさか本当に先生がTEKUを描いてくださるとは夢にも思わなかったんです。決まったときに一番驚いたのは、僕でしたから（笑）。

麻　でも、そうなったってことは…上手くいった感じですよね？(笑)

世　ですよね（笑）。この流れを記事で読むと「世界のやつ、全部見越してたな。策士だな！」って思われちゃいますね(笑)。さて、今回イラストを描くにあたって『BOT』の世界観などを先生はどんなふうに感じられましたか？

麻　面白いなと思いましたね。だってキャラクターの根底にあるのはLDHのグループに所属する方々で、なおかつ物語とパフォーマンスがリンクして様々なものを派生させながら、その先へ繋げていく。すごく新しいメディアミックスの形だし、どこにも妥協がないじゃないですか。実際にイラストを描いていたときも、「あの部分ってどうなってるんですかね？」って聞いたら、ものすごい量の資料が届いて「こんなに読み切れないぞ」ってなったんですよ(笑)。それくらい、丹念に作り込まれているんだなと感じました。

世　イラストは、やっぱり構図を決めるところがスタートですか？

麻　そうですね。まずは全体像を決めることから始めました。僕はアニメーターをやってたから、キャラクターはやっぱり動きを見せる感じで描きたいなって思ってるんです。尚且つ、TEKUは世界さんをベースにしたキャラなので、ポーズも若干アグレッシブさのあるアクションを付けたいなと思って。そこで、落下しながら火を使うイメージにしました。浮遊感を出すとなると飛び上がるか、落ちるかになるのでね。そして、帽子が飛ばないように手で抑えるようにしたんです。

世　TEKUはビルの上から落ちてるけど、火を放っている顔にはまだ余裕があって「こいつ、多分強キャラだな」っていうのがすごく伝わってくるのが嬉しいです。ニヒルでミステリアスで、夜が似合う男って感じも最高だし！

麻　あと最初TEKUは今と全然違う構図でオーラを身にまとっているような感じでいこうと思ってたんですけど、火の使い手だと知って今のものに変えたんです。

世　それを知ると、オーラのあるTEKUも見てみたかったです！　彼は一応メカニックっていう設定なので、個人的にはいつか車とかバイクに乗せたいなって思ってるんです。火の能力でエネルギーを生み出して、空飛ぶバイクを操縦したり。

麻　だったら逆に、未来世界なのにあえてガソリンを使ってるほうが良くないですか？　周りはみんな電力を使うけど、彼だけは頑なにガソリンを使ってるとか。

世　おぉ、確かに!!　やっぱり、先生のアイディアはすごいツボにはまる!!

麻　扱う機械にもキャラの個性が出るのがＳＦですからね。

世　プロは違いますね！　僕的に、TEKUさんはちょっとダークヒーロー味のあるキャラなので、先生にいただいたアイディアとこのイラストから、さらにいろんな想像が膨らみそうです。

麻　じゃあ、次はマシン込みで描きましょう！

世　えぇ、いいんですか？

麻　目を悪くしてからかなり仕事を控えてるんですが、絵が描けないことでものすごくストレスが溜まってるんです。もう描きたくて、描きたくてしょうがない。だから目が良くなってイラストが描ける時期が来たら、今までの３倍ぐらい仕事をしたいと思ってるんですよ。

世　そうなんですね。では、ご快復されたら是非お願いします！　『BOT』には基本的にモデルになっているメンバーがいるんですけど、「もしもこれが、全部オリジナルキャラだったら…」って想像するとヤバイんですよ。だから麻宮先生が考える『BOT』のオリキャラとかは個人的にすごく見たいなって思うし、TEKUの設定とかエピソードなんかも無限に想像しちゃうんです。僕はそういうときにマンガを読んだり、音楽を聴いたり、映画を観たりして刺激をもらいながらアイディアを出すんですけど、先生はいかがですか？

麻　僕も詰まったり迷ったりしたら、全然違うことにヒントを求めますね。特に映画は昔から好きで、子供の頃は観客入れ替え制じゃなかったから一日中映画館で映画を観てました。叔父さんの家の隣が映画館だったからしょっちゅう観に行ってたし、今も実写作品が占めるウエイトってすごく大きいんです。あと僕は絵を描くときに音楽がないとダメで、静かな中では描けない。TEKUを描いていたときは、FANTASTICSの『OVER DRIVE』とか『アプデライフ』とかをよく聴いてました。あと、FANTASTICSさんはZOOの『Choo Choo TRAIN』もカバーしてますよね？　作曲は中西圭三さんで、作詞は佐藤ありすさん。僕はZOO世代だから昔から聴いていた曲がEXILEさん、FANTASTICSさんと歌い継がれていっているのがすごく嬉しいんです。

世　今度是非、ライブを観に来てください！

麻　ありがとうございます。世界さんのパフォーマンスをまだ生で見たことがないので、楽しみにしています。

△朝早く、FANTASTICSの澤本夏輝さんと一緒に、一番乗りで会場に駆けつけた世界さん。

世　ちなみに、『BOT』で好きなキャラはいますか？

麻　やっぱり一番思い入れが深いのは、TEKUになっちゃいますね。

世　そうですよね。彼は一応まとめ役ポジションなんですけど、今後どんなふうに育っていくといいな…とか、ありますか？

麻　突出したキャラにはなってほしいですね。ほかのキャラクターを率いつつも、意外と一匹狼で行動する感じとか似合うんじゃないかな？

世　すごいですね！　僕、まさにTEKUは一匹狼にしたいんですよ。自分の連載だから言っちゃいますけど、TEKUってそういう路線がいいなってずっと思ってたんです。だからもしかしたら近い将来、何かの物語で一匹狼になってる可能性もなくはない…けど、そうなると僕は『BOT』のライブでひとりになっちゃう(笑)。でも、孤独な男性キャラって大好きなんです。

麻　クールで一匹狼なところもあるけれど、仲間のために熱い火を使うっていう対比とかもカッコイイですよね。

世　先生にTEKU原案協力っていうか、もう原案をお願いしたいくらいです(笑)。さて、いよいよ「超東京拡張展」が始まりました。錚々たる先生方の『BOT』イラストが一気に見られるので、本当に歩くだけでも楽しい空間になりそうです！

麻　僕も遊びに行くのを楽しみにしていますし、お声掛けいただけて本当にありがたいです。実際にパフォーマンスをする皆さんがベースになって作品を生み出し、こういう展開を見せるコンテンツって今までなかったわけではないけれど、ここまで設定・世界観やキャラクターが確立されている作品はやっぱりセンセーショナルだなと思うので、お客様にはそんな魅力をじっくりイベントで楽しんでいただきたいです。

世　僕的に今回の拡張展って『BOT』のファンになってもらうことと、参加してくださった先生方のファンになってもらうことを両立させるのが大事だと思っているので、気になるイラストがあったら普段その先生が描かれている作品を深掘りしてみてほしいです。僕自身、会場に行ったらイラストの迫力に圧倒されて絵の前から動けなくなりそうだけど、例えばTEKUの声は僕の友達でもある武内駿輔が担当しているので、麻宮先生×武内駿輔×世界…みたいな、邪道で王道な楽しみ方もアリだなって思うし、お客さんにもイラストから様々な想像を膨らませて、これからの展開にワクワクしてほしいですね。

麻　いやぁ、こうやっていろんなお話ができて楽しかったし、世界さんはやっぱり漫画が大好きなところがすごくいい。あと僕のことを好きでいてくれる人は、僕も好きになりますから（笑）。またご飯を食べに行きましょう！

世　僕の方こそ、先生にそう言っていただけて嬉しいです！　またお会いできるのを楽しみにしています！

Q.世界さんの好きなイラストは？

「TEKU以外だと、しらびさんが描いたLUPUS（≠川村壱馬）とかが気になりました。和風のテイストが盛り込まれていて、そこがある意味アメコミテイストのTEKUと真逆で面白いなと思って。それとGODTAILさんが描かれたPARTE（≠関口メンディー）の人外感というか、モンスター感は半端なかったですね。思わず目を奪われてしまう異彩を放っているのが印象的です！」【世界】

△ぜひ会場に行ってその目でイラストを確かめてみて！

Text＝犬飼かおり

BATTLE OF TOKYO 「超東京拡張展」

日程・会場＝【東京】〜5月26日(日)・ SHIBUYA TSUTAYA、【大阪】6月8日(土)〜6月23日(日)・TSUTAYA EBISUBASHI

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世界さんプロフィール

せかい　LDH所属。FANTASTICSのリーダーで、EXILEと兼任し活動。圧倒的なダンススキルで人気を集めるほか、オタクカルチャーにも精通しており、『劇場版シティーハンター 天使の涙（エンジェルダスト）』ではゲスト声優を務めるなど、活動の場を広げている。

麻宮先生プロフィール

あさみや・きあ　漫画家・イラストレーター・アニメーター。代表作に『サイレントメビウス』、『快傑蒸気探偵団』などがある。

©LDH JAPAN2019　「BATTLE OF TOKYO」プロジェクト