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『崩壊:スターレイル』サンデー役・大塚剛央さんインタビュー
2024.12.03 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
HoYoverseが配信中のスペースファンタジーRPG『崩壊:スターレイル(スタレ)』で、12月4日よりVer.2.7アップデートが実施されます。本バージョンでサンデーが実装されることを記念して、PASH!7月号に掲載したキャストインタビューの一部をお届けします。
※本記事は2024/6/10発売「PASH!7月号」にて掲載したインタビューより、一部内容を抜粋したものになります。
→ロビン役・名塚佳織さんのインタビューはこちら
→アベンチュリン役・河西健吾さんのインタビューはこちら
「弱き者のために楽園を創り上げること自体が“彼の生き方”なのかなと」
――サンデーについて、初めて資料などをご覧になった際はどのような印象を抱きましたか?
第一印象は「物腰が柔らかさそう」でしたね。ビジュアル的には、羽根とかいろいろな装飾を身につけているのが気になりました。あとはキャラ説明を読んだあと、一筋縄ではいかないキャラクターだろうなと思ったのですが、それが見た目にも結構現れているのかなと。純粋にカッコいいなと感じました。
それと頂いた資料に「ピノコニー編の黒幕です」と書いてあったので「あっ、そうなんだ!?」とビックリしたのを覚えています(笑)。
▲ピノコニーの政治と管理を担う「オーク家」の長。穏やかな雰囲気 と上品な振る舞いの天環族の青年で、ロビンとは兄妹。
――演じるにあたってHoYoverseさんから何か説明はありましたか?
最初の収録のときはこの作品について理解があまり深くなくて。これまでこういう出来事があって~…みたいな感じで、世界観について細かく説明してくださった記憶があります。そのうえで僕が資料を読み込んで考えて持ってきた演技をお見せして、特に感情の部分などを細かくディレクションいただきました。
――では実際どんなことを意識して演じられましたか?
基本的には物腰が柔らかくて言葉遣いが丁寧なキャラクターなので、そのあたりは意識しながら演じています。あとは最初の頃ですと、あえて感情の波をそんなに作らずにやっていましたね。彼が黒幕であるというのを見せないようにしたくて。ただそれをやりすぎると、「こいつ怪しいな…」と思われてしまうかもしれない。だから味方であることに努めるといいますか、開拓者たちを本当に歓迎する気持ちで立ち振る舞うことを心掛けました。
でも、シーンによっては結構感情を露わにするところもあったりして。確か最初にサンデーが怒りを見せたのはロビンに変装していた花火と会話したときだったのですが、そこではどのくらい怒りの感情を出したら良いのか迷いました。「もっと(怒りの感情を)表に出しても良いです」とディレクションをいただきましたね。
だからサンデーは、普段は嘘をついていないにせよ、意外と“取り繕ったもの”と“本心”にギャップがあるといいますか。演じていくうちに、そういうところはもっと明確に出してしまって良いんだなと分かっていきました。人々を導く立場ですが、等身大の人間らしい一面もあるからこそ、憎めないキャラクターだと思います。
ただVer.2.2に入ってたくさん喋るようになると、すごく難しいことを言っているのもあって演じていて少し大変でした。でもそれが彼の根幹に関わる部分なんだろうなと思いました。
――演じていくなかで、サンデーの立場や心境にはどのような思いを抱きましたか?
弱き者のために楽園を創り上げること自体が“彼の生き方”なのかなと感じました。善意でやっているわけではないでしょうし。サンデーは物語上、開拓者と敵対する存在として描かれていましたけど、彼の思想で助けられる人も間違いなくいるじゃないですか。だからこそ彼の中では自身の揺るがない信念を全うするのが、一番心の芯になっているところだったのかなと思いましたね。結果、愛しているロビンとも戦うことになってしまいましたが…。
でも、「ワタシとしては、社会の理想的な制度は『週休7日』であるべきだと考えています」というセリフは、分かりやすい例えではあるけれどちょっと面白かったです(笑)。誰もが一度は思い浮かべるような理想ですよね。僕も「分かるな~」と思ってしまいました。
▲サンデーは開拓者たちを心の中の世界に招待し、彼が過去に経験した、いくつかの選択の一部を見せる。そして自身の選択によって引き起こされた悲劇を伝え、「調和」の限界と苦境への理解を求めると、一時の幸せではなく永遠の幸せを人々にもたらす楽園こそが、真に弱者を救うことができるのだと語った。
――サンデーのこのセリフは、開拓者さんの間でも話題になっていました(笑)。
このシーンを台本で読んだとき、昔観たとある作品を思い出しまして。ロボット技術が発達しすぎて人間が働くことがなくなってしまい、毎日が日曜日になっちゃうといったお話なんですけど、真っ先にそれが頭に浮かんだんです。そしてその作品でも“人間たちにとって良くない”という結論に行き着いていて。だからサンデーの理想は一部の人にとっては良いことかもしれないけれど、きっと多くの人が馴染めないと感じましたね。
あとサンデーの作りたい世界は弱き者に手を差し伸べるだけでなく、支配するところまでいっているので、行きすぎてしまっていたのかなと思いました。ロビンの手を取ることができていれば、未来が変わっていたりもしたのかな…?
▲幼い頃から他者への強い庇護欲を持っていたサンデー。綺麗事だけではすべての人々を救えないという現実を目の当たりにした彼は、「調和」のもとでは人々は幸せになれないと悟り、「強者が弱者を守らなければならない」という考えを強固なものにしていた。そして人々のために楽園を創る代償に自分自身を犠牲にすることも厭わず、夢を維持するために孤独な覚醒者としての道を選ぶ彼の信念は、揺るがぬほどに固いものだった。
誰かが彼に寄り添ってくれたら…
――では、サンデーの最愛の妹・ロビンに対する現在の印象をお聞かせください。
ロビンもサンデーと同じように、しっかりと信念を持ちながら行動していますよね。だからこそ、一番そばで兄のサンデーを見ていて、ずっといろいろと“想い”を抱えていたのかなと。「歌を通して人々を幸せにする」というのが彼女の夢ですが、それをサンデーも一緒に叶えていけたらいいのに…と、つい思ってしまいます。
――改めて、サンデーとロビンの関係についてはどういうふうに思われていますか?
もちろんサンデーにとってロビンは“愛する妹”ですけど、彼女の意志を尊重しつつも囲っておきたい庇護対象だったのではないかなと。サンデーとロビンが関わっていたところですと、個人的には花火がロビンに化けていたシーンが印象に残っていて。そのときサンデーが、彼女の言葉遣いに違和感を覚えていましたよね。一挙手一投足を注意深く見ていて、そういうところでもサンデーがロビンを普段からどういうふうに見ているのか分かったのかなと。
――サンデー戦のあとのふたりのラストシーンはすごく感動的ですよね。
あそこは収録時の映像ですとまだ絵コンテ段階で、歌は仮のものが入っていたんですけど、その映像や台本を観たり読んだりしたときは「これはズルい!」と感じました(笑)。実は僕、まだこのシーンまでゲームを進められていないんですよ。でもロビンをゲットしてはいるので、いつか彼女と一緒にこのシーンまで辿り着きたいと思っています。
――アベンチュリンやギャラガーとのやり取りも印象深いのかなと。
アベンチュリンとの会談シーンのサンデーは、真意が掴み辛くてすごく難しかったです。「どうすれば伝わるかな?」と考えながら演じました。あとサンデーからすれば、アベンチュリンは単純に利用価値がある存在といった印象を受けました。「アベンチュリンをどう操って、自分の良い方向に転がしてやろうか…」みたいな感じがあったような気がしますね。
それと収録時に「もっと語気を強めて」というディレクションを都度いただいたんですよ。ロビンが死んだことになっていましたし、彼の心中は穏やかではなかったと思います。
ギャラガーとのやり取りだと、Ver.2.1のラストでサンデーが刺されるシーンが印象に残っていますね。実は収録もそこで一旦区切りで…僕はその時点ですでに彼が黒幕だと知っていたからこそ、「ここでお役御免なのかな!?」と戸惑ってしまいまして。どうしても気になったので、収録が終わったあと、現場にいらっしゃったスタッフさんにサンデーの無事を確認してしまいました(笑)。「まだ出てきますよ」とお返事をいただき「良かった~」とホッとしたのを覚えています。
――ちなみに今サンデーに声を掛けるとしたら、どのような言葉を贈りたいですか?
「幸せって結構身近にあるんじゃない?」と伝えたいです。もっと現実や身近にいる人に目を向けたら良いのになと。でも彼の気持ちは分かるし決して悪ではないから、彼の理想のために「頑張れ!」とも言いたいです。そして、誰かが彼に寄り添ってくれたら良いなと。
▲サンデーは人々を「美しい夢」という名の籠の中で護りたいと考えていたが、真に籠の中に囚われていたのは彼自身なのかもしれない…。
――本作に登場するキャラクターの中でもっと関わりを持ってみたい人物はいますか?
姫子です。サンデーに対して、彼が間違っているというのを結構詳しく噛み砕いて説明してくれていた印象がありまして、親切だなと感じました。あとは、花火とももっと絡んでほしいなと思いましたね。サンデーと一対一ではなく、ほかにも誰かを交えて会話したいです。もう一度ロビンと3人で話してみるとか…(笑)。
――最後にメッセージをお願いします。
『スターレイル』はとにかく台本のページ量が膨大なんですよ。でもそれだけボリュームがあるのに、しっかりと皆さんに届いているし、楽しんでいただけているのがとても嬉しいです。1周年を迎えた本作は、まだまだ盛り上がっていきます。僕自身もまたサンデーと会いたいと願っていますので、皆さんも期待していただけたら幸いです!
■千の星を巡る紀行PV 「太陽が沈んだ後」
■サンデー キャラクターPV 「ソリスト」
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