interview
アニメ『【推しの子】』有馬かな役・潘 めぐみさん「第1期のときに感じた“かなとの距離感”が、第2期でリセットされた感覚があります」
2024.12.07 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
累計 1800 万部突破、週刊ヤングジャンプにて連載中の赤坂アカ×横槍メンゴの豪華タッグが描く人気漫画が原作の、TV アニメ【推しの子】。
第2期一話(第十二話)の放送後タイミングで発売されたPASH!8月号にて掲載した、有馬かな役・潘 めぐみさんのインタビューの一部をお届けします。
※本記事は2024/7/10発売「PASH!8月号」にて掲載したインタビューより、一部内容を抜粋したものになります。
──2・5次元舞台編を原作漫画で初めて読んだときの感想を教えてください。
ものづくりもお芝居も他者と関わりを持たないとできないからこそ、より一層、人と向き合わなきゃいけないなと感じました。今回の2・5次元舞台編では、作り手の方たち、役者同士、さらには自分自身とも向き合わなきゃいけなくて。いろいろな向き合う機会を試練として与えられていると思いましたね。
──2・5次元舞台編での有馬かなに対してはどんな印象を抱きましたか?
現場にいらっしゃった赤坂(アカ)先生もおっしゃっていたんですけど、演じていての印象は「もっと性格が悪くていいんだ!?」(笑)。もちろん良い意味で、ですからね! 今回"有馬かなVS黒川あかね"が見どころのひとつなのですが、かながあかねをものすごく煽るんですよ。「かなのことが嫌いになっちゃうのでは?」と心配してしまうくらい、本当にやらかすんです!だからこそ、かなの意地悪な一面とも改めてしっかりと向き合うことができた気がします。
──第1期十一話でも、かなとあかねが煽り合う姿が見られましたね。
あれはもうプロローグみたいな感じだったんじゃないでしょうか? 今後のエピソードで「かな、悪いな〜」と思うような"ネタ"をあかねにぶつけるシーンがありますし…(苦笑)。
──そんな彼女を演じるとき、どのように役作りをされていったのでしょう?
今でも思うことなのですが、かなは意地悪な一面があるけれど"嫌われ役"になってほしくないんです。だから最初、良い塩梅を探りながらやってみました。そうしたら「もっと振り切っちゃって大丈夫です。本当に嫌がらせをしている感じで、性格悪く演じてみてください」とディレクションをいただきまして。振り切ったうえで差し引いていくかたちで再度挑戦することになり、振り切ったところでOKをいただいたのを覚えていますね。「楽しみながら意地悪をする一面もあっていいんだ!」と実感した瞬間でした。ただ私的には、性格が悪くても愛嬌はあってほしいので、絶妙な塩梅を探るのに毎回時間をかけさせていただいています。第1期のときに「かなとはこういう距離感で付き合っていけるな〜…」と思ったことが、第2期でリセットされた感覚がありますね。
──ちなみに潘さんはこれまで舞台に出演された経験もありますよね。そのときの経験が2・5次元舞台編でのお芝居で活かされたことは?
もちろんあるはずです! 私は子役さんほど長くはやっていないんですけど、有難いことに2・5次元舞台に立たせていただいたこともありまして。それほど自信を持っているわけではないのですが、「舞台で学んだことをしっかりと反映できているんじゃないかな?」という期待と共に、マイク前に立っています。あと実は、あかね役の石見(舞菜香)ちゃんから舞台でお芝居をするときに出す音量について質問をいただいたことがあったんですよ。全シーンで声を張るべきなのか、それともあかねが演じる鞘姫は張るようなキャラクターではないからそうしないほうが良いのか…。動画などを観て勉強されてきたみたいですが、発声についてかなり悩まれていたんです。そこで私から舞台に出演したり、生で舞台を観たりしたときの印象をお話ししまして。ただ、今回作中で描かれる『東京ブレイド』ではそれが当てはまるのかどうか、正直分からなかったんです。だから、「あとは実際に演じてみたときにディレクションがあれば変えていくかたちでいいんじゃないかな?」ともお答えした記憶がありますね。それから『東京ブレイド』ではどういう距離感で、どういう音圧を意識すればよいのか、舞台に立つ役柄を演じる人たち全員が知っておいたほうが良いとも思いまして。そこで音響監督の高寺(たけし)さんに伺って、共通認識を作っていきました。だから石見ちゃんの質問は、現場にとってもすごく有り難かったです!
──ツルギはどんなキャラクターだと捉えていますか?
有馬かなの勝気を前面に押し出したキャラクターなのかなと。私自身、『東京ブレイド』ってキャラクターとタイプが近い役者たちがキャスティングされていると思うんです。姫川は真逆ですけどね。かなとか、アクアとか、あかねとかはピッタリ! だからこそツルギの表情がコロコロ変わるところや、ちょっぴりチョロかったりボロが出ちゃったりするところは「当て書きかな?」と思ってしまいました(笑)。きっと鏑木(勝也)プロデューサーたちはそういうところも見抜いてキャスティングされたのでしょうね…。
──かなの登場シーン以外で印象に残っているところは?
第2期一話(第十二話)のなかですと、やっぱりラストも印象的です。(鮫島)アビ子先生が脚本を全部直してくださいと言って終わるんですけど、まさに"最高の引き"でしたよね。第1期のときもそうでしたけど、『【推しの子】』はいつでも挑戦的だなと感じました。私は、アビ子先生と(吉祥寺)頼子先生のコンビがすごく好きなんですよ。2・5次元舞台編ではいろんな分野の天才が出てくるんですけど、作り手の天才として登場していて。ふたりの師弟関係が良いなと思いました。それとみたのりおも好きですね(笑)。興津(和幸)さんが原作を読んでいたときに想像しなかったようなお芝居をされていて、本当に素敵です。
──改めて第1期でのアクアとのやり取りも振り返っていただけますか?
ふたりは子供の頃に出会い、かなにとってアクアは引っかかる存在となって。そこから数年経ち再会を果たすんですけど、私は最初、その段階でかなはアクアのことをすでに気になっていたのかな?と思っていたんです。だけど実際はそうではなくて。再会したときはあくまで子供時代を共に過ごした戦友だけど、『今日あま』で共演したときに好きになる。その頃から私は、アクアはかなのことをスポットライトのもとに連れて行ってくれる存在だと思うようになりました。『今日あま』では最高のお芝居を引き出してくれましたし、アイドルフェスでステージに立ったときはアイドルとしても開花させてもらいましたから。そしてそれらを自然とやってのけるアクアが好きだし、そんなアクアに恋しているかなも好き。恋人同士ではないんですけど、ふたりを見ていると尊いなと思います。
──最後にメッセージをお願いします。
今回描かれる『東京ブレイド』に関してですと、原作のほうで深掘りされていない設定やセリフがアニメのほうで描き下ろされている気がして。きっと最前列よりも良いところで楽しんでいただけるような感じになっているはずです! なのでこれを機に、視聴者の皆さんにも2・5次元舞台に興味を持っていただきたいですし、その後押しになれたらいいなと思っています。あとは舞台って「総合芸術」とも言われていますが、今回のアニメも総合芸術になり得ると思っていますので、音楽 ・映像・役者さんの演技全てが合わさったときの化学反応もぜひ楽しんでいただけると嬉しいです!
Text=大村茉穂
公式サイト:https://ichigoproduction.com/
©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会
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