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【後編】『勇気爆発バーンブレイバーン』監督・大張正己さん&EXILE/FANTASTICS世界さん対談「皆さんの心に、勇気のかけらがひとつでも宿ったなら嬉しいです」
2025.01.11 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
2024年1月11日に放送がスタートし、大きな話題を呼んだオリジナルTVアニメ『勇気爆発バーンブレイバーン』。もうすぐ放送1周年を迎えることを記念して、PASH!2024年5月号に掲載された監督・大張正己さんと大張さん作品の大ファンであるEXILE/FANTASTICSの世界さんの対談インタビューを一部抜粋し、 【前編】【中編】【後編】に分けて2025年1月11日まで毎週公開いたします。
【前編】『勇気爆発バーンブレイバーン』監督・大張正己さん&EXILE/FANTASTICS世界さん対談「“自分が一番観てみたい作品を自らの手で作り出したい”と思ったのが出発点です」
※本インタビューは全話のネタバレを含みます。ご注意ください。
“ボーイミーツ、スーパーヒーローロボット”の物語
世界(以下、世) 是非最終回についてもお話を聞かせてください。
大張(以下、大) 1話のアバン(冒頭)で登場したイサミは、中身は完璧超人で隙のない男。クールでカッコイイ主人公像でしたが、いざブレイバーンに乗るとひたすら情けなくて、泣くし、鼻水も垂らしてました。彼は体力的にも能力的にも優れているけれど、唯一の弱点は勇気がないところなんです。だから1話で、バーに現れたスミスから「勇気がないのか?」と言われたときに、手がキュッとなってしまった。一番言われたくないポイントを突かれてしまったんです。そして勇気を出してヒーローをやっていたけれど、最終回の冒頭では敵に降伏して「死ぬのが怖い」って言い出して…あのシーンって「ここまで来て、お前!!」ってなるじゃないですか。
世 確かに、なりますね。
大 でも、その後ちゃんと目覚めて勇気爆発させて、自らバーンブレイブビッグバーンになった。あれは、イサミが“真のヒーロー”になった瞬間なんです。
世 展開として新しすぎて、たまらないシーンでした。
大 あのイサミは色んなことを超越しちゃってて、口調もいつもと違って「私」とか「ふむふむ」とか言ってますしね。
世 イサミって頭で考えるより気持ちが先行するタイプに見えるし、『ブレバン』を観てるとそういう勢いだったり、思い切りのよさも大切なんだなって感じます。
大 最終回は、アフレコもすごかったんですよ。鈴木さんが技名を叫ぶ姿が恐ろしくカッコよくて、「こんなにカッコよく叫ぶやつ、いる?」ってなって。本人のポテンシャルもすごいし、目の前にイサミがいるんだと感じるほどに感動しました。ただ、戦いが終わると元に戻って普通の人間になる。それもイサミの良さなんですよね。
世 崚汰は喉も強いし、昔から役者として強い想いで叫ぶ演技がしたかったらしいんです。だからイサミの叫びには、崚汰自身の想いも乗っかっていたのかもしれませんね。
大 鈴木さんの叫びは実に伸びやかだし、若干加工が加わることでさらにカッコよさが増して無敵のヒーロー感が出るんです。現場では監督をやりながら音響監督としても演技を見ているわけですが、ひとつの作品、しかも1クール12話の中で、これだけいろんな要求をひとりの役者にするってあまりないですし、しかもそれを全部上回る形で鈴木さんは応えてくださいました。僕より全然若いけれど、尊敬してます。よくぞこの世界に現れてくれた!と思うくらい、本当にイサミにピッタリでした。
世 僕は「崚汰、頑張れ。イサミ、頑張れ!」って思いながら観てたので、そういう意味でも嬉しい作品でした。
大 イサミは、最後ちゃんと真のヒーローになりましたしね。多分、1話から最終回までかけてあんなに変化する主人公ってそんなにいないと思うんです。一度はメンタルもボロボロになって、2話であんなにダサくもなって。でも、ただの巻き込まれタイプで自分の芯に何も持ってない人間が主人公というのは嫌なんです。ちゃんと鍛えていてほしいし、常に備えていてほしい。だからこその自衛隊の隊員という設定でもあったわけで。イサミは、どこかにちゃんとヒーローとしての要素を持っている男でいてほしかった。あと、もうひとり欠かせないヒーローといったらスミス。最終回でちゃんと帰ってきました。でも、それまで青かったスミスの目の色が最終回ではブレイバーンと同じグリーンになるんです。それはオープニングでスミスが落ちていくシーンに伏線を張った箇所でもあって、実は僅か6~8カットの中で目の色が青から緑に変化してるんですよ。だから本編でも、ブレイバーンサイドが消滅したとしても、そのソウルはスミスの中に残ってるんだということをきちんと表現したいと思ったんです。
世 ブレイバーンとしての想いは、あそこから続く未来にちゃんと持っていく…。これは、絶対に泣くヤツです!いや、本当に楽しすぎたから12話があっという間で、もっと長く観ていたいと思いました!!
大 個人的には、せめてあと6話あったら日常芝居をもっとやりたかったんですよね。
世 大張監督の日常回は、観たさしかないです!!
大 温泉卓球回とか、水着回とかベタなアニメあるある回も入れつつ、もっと人間同士のドラマを描きたかった。しかも、SNSの盛り上がりで一気にネタの幅が広がったので、まさに今、僕自身が観たいものだらけなんです(笑)。外伝的にスパルカイザーの話が描かれれば、変身前はどういう人間なのかも分かるな…とか。
世 作品を生み出した監督ご自身が、一度完成させた作品の世界の枠を超えて妄想爆発、想像爆発してるってすごいことですよね。そのくらいこの作品を愛してて、スタッフさんやキャストさん、視聴者も含めてみんなで楽しめるのが『ブレバン』の凄さだし、魅力なんだなってお話ししていて感じます。僕的には今回ブレイバーンが生まれたことで、往年のロボットブームみたいなものが来てくれたらいいなとも思ってるんです。ファンのなかではもうずっと煮えたぎっていて、煮こごりが爆発しそうなタイミングで『ブレバン』が来てくれた!っていう感覚もあったし、これまでとは違うロボット作品の可能性まで見せてもらえたので。
大 “ロボットもの”ってやっぱり歴史があるし、完成されたブランドがある。でも、その枠からちょっと飛び出たものとして作りたかったのが『ブレバン』だったんです。いわば“まったく新しいロボットもの”として、リアル世界のベースにスーパーロボットが同居してる…というのかな。そしてもうひとつ、『ブレバン』は“ボーイミーツ、スーパーヒーローロボット”を描いた物語。運命を変える出会いによって、人はどう変わっていくか? どう成長するのか? イサミとブレイバーンの出会いも、スミスも、ルルも…って。なんなら、スペルビアも成長しましたからね。
世 『ブレバン』を観て「大張監督の作品大好きだな、もっと観たいな」って思ったんですけど、これからも作品を作り続けたい気持ちは持っていらっしゃいますか?
大 それはありますね。最近だとwebアニメ『ガンダムビルドメタバース』や『境界戦機 極鋼ノ装鬼』などのロボットものが多かったんですけど、以前『THE KING OF FIGHTERS XV』のオープニングビジュアルなども手掛けているので、やっぱり等身大キャラクターのアクションはやりたいです。恐らく望まれてもいるだろうし、その熱はフツフツと来ています。
世 本当ですか! それは超観たいです!! イサミとスミスがボクシングでやり合うシーンとかも燃えました!
大 あれも『餓狼伝説』とかをやってきた僕だからこそ手が抜けないシーンで、絶対厳しい目で皆さんが観てると思ったんです(笑)。それと、実は劇場版の監督作品って’94年の『餓狼伝説-THE MOTION PICTURE-』以来やってないので、あれから30年経った今だから作れる自分の劇場作品というものをきちんと形にしたいという気持ちも持っています。実際に『ブレバン』を観て、「大張さんが新作を作るなら、僕も参加したかった! 次に何かするなら、絶対に声を掛けてほしい」って言ってくれる人がすごく多いんです。なので、僕と一緒に何かを作りたいって思ってくれる人たちを集めて、それこそフルスペックの状態で作る劇場版というのは僕にとっても夢があるし、すごく挑戦しがいがあるだろうなって思うんですよね。
世 それは是非皆さんにも映画館で観てほしいし、僕も観たいですね。なんなら僕、毎週『ブレバン』を観ながら「これ今、劇場で声出し上映で観れたらいいのに!」って思ってましたもん(笑)。映画館のフルスクリーンで観たら、半端ない迫力だろうなって。あと、絶対に『ブレバン』を観たことで将来アニメーターを目指す人が出てくる気がします。
大 そうなったら本当に嬉しいですね。あと、絵を描くきっかけとかになってもらえたらいいなと思います。
世 TVシリーズは終わりましたが、監督がこの作品に込めたのは、どんな想いでしたか?
大 観てくださった皆さんが、勇気のかけらを持って一歩踏み出してほしい…みたいな気持ちですね。そして、夢を叶えるって大変なことだけれど、実は何にでもなれるんだということを表現したかったんです。人間でありながらもヒーローになりたかったスミスが“ブレイバーン”というヒーローになって、イサミとふたりで世界を救った。これって僕の永遠のテーマでもある監督作品としての人間賛歌であり、人間のみが持つ無限の可能性の提示でもあったわけなので。言葉には出してないですが、その部分は映像として貫いて皆さんにお見せしたつもりなので、そうした部分を感じてもらえたらすごく嬉しいです。そして、皆さんの胸に勇気のかけらがひとつでも宿ったならば監督としてこれほど嬉しいことはないですね。
世 監督は、僕にとっては生きる伝説的な方。10年後ぐらいに、「そういえば33歳のときに大張さんに会ったんだな」ってしみじみするのが今から想像できるくらい、今日はお話を聞けて嬉しかったです。本当にありがとうございました!
Text=犬飼かおり
【前編】『勇気爆発バーンブレイバーン』監督・大張正己さん&EXILE/FANTASTICS世界さん対談「“自分が一番観てみたい作品を自らの手で作り出したい”と思ったのが出発点です」
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オリジナルTVアニメ「勇気爆発バーンブレイバーン」
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©「勇気爆発バーンブレイバーン」製作委員会
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