ミュージカル『ヘタリア~The Great World~』ゲネプロレポート
2016.11.12 <PASH! PLUS>
PASH! PLUS
アメリカとイギリスの切ない兄弟愛に感動!
2016年11月10日(木)に初日を迎え、27日(日)まで東京はシアター1010、大阪は森ノ宮ピロティホールにて上演されるミュージカル『ヘタリア~The Great World~』。ここでは、そのゲネプロの模様をお届けします!
■今回の物語はアメリカとイギリスを軸に展開
今回の舞台は「大航海ブーム」の時代。各国がしのぎを削って大海原を進むなか、アメリカ大陸が発見されるところから物語は始まります。
世界最強と謳われたスペイン(山田ジェームス武)を破ったイギリス(廣瀬大介)は、このころまだ幼いアメリカ(磯貝龍虎)を弟として見守っていました。しかしその後、アメリカはフランス(寿里)とスペインの入れ知恵によって、イギリスから離れ独立してしまいます。やがてさらに力をつけて世界をリードする大国へ成長したアメリカですが、イギリスとの関係はぎこちないまま。そんなあるとき、イタリア(長江崚行)がある提案をしてきて…。
今回、物語の中心となるアメリカ。そんな彼の特に印象的なシーンは、イギリスからの独立の場面です。アメリカはフランスとスペイン、ロシア(山沖勇輝)の「独立すべき」という言葉にひどく葛藤します。兄・イギリスを裏切りたくない気持ちと、頼りきりでいたくない気持ちがせめぎ合っていたからです。おろおろしてしまうアメリカですが、独立を宣言するシーンでは、それまでの迷いをすべて断ち切ったかのような力強さを感じさせてくれます。また、その直後にアメリカとイギリスが対峙する場面では、2人の間に入ってしまった溝の深さが痛いほど伝わってきて、胸が締め付けられました。アメリカが独立した後、荒んでいくイギリスの姿はとても痛々しいですが、これも大きな見どころのひとつとなっています。
中国(杉江大志)と日本(植田圭輔)の関係にも注目です。日本を弟と思っている中国と、中国を兄と思っていない日本。中国は日本に「赤の他人」と言われても、日本のことを想って行動します。アメリカへ「日本の取り扱い説明書」を送ったり、日本のために猫を用意したり…。そんな中国が日本へメッセージを送るシーンは、観客の胸を打ちます。それがどんな言葉だったのかは、ぜひ本編で確かめてください。
そして、シリアス要素多めのなかでも、いつもどおりにチャーミングでヘタレなイタリアの「ヴェ~」には、すごく癒されました。
■音楽は今作もキャッチーな楽曲がいっぱい!
今回もたくさんの曲が登場します。オープニング曲は熱い歌詞とメロディーで、会場を一気に物語の世界へ連れていってくれました。そのあとに続くスペインの自己紹介の曲はフラメンコ、日本のソロ曲は演歌など、各国特有の音楽が取り入れられているので、この公演でさまざまな国の音楽を楽しむことができます。また、キャスト陣とアンサンブルがともに歌う場面では、その声量に圧倒されました。
そしてエンディングの曲は、とても楽しい演出となっています。前公演同様、ここではグッズ販売しているフラッグを一緒に振ることができるので、フラッグ片手にキャスト陣やほかのお客さんと一緒に盛り上がりましょう!
DATA
ミュージカル『ヘタリア~The Great World~』
公演期間:
東京公演2016年11月10日(木)~20日(日)
大阪公演2016年11月25日(金)~27日(日)
劇場:
東京公演 シアター1010
大阪公演 森ノ宮ピロティホール
CAST:
イタリア=長江崚行
ドイツ=上田悠介
日本=植田圭輔
アメリカ=磯貝龍虎
イギリス=廣瀬大介
フランス=寿里
ロシア=山沖勇輝
中国=杉江大志
スペイン=山田ジェームス武 ほか
STAFF:
演出=吉谷光太郎
脚本=なるせゆうせい
音楽=tak
振付=MAMORU
企画製作=フロンティアワークス
制作=ポリゴンマジック
主催=ミュージカル「ヘタリアGW」製作委員会
公式サイトHP:http://musical-hetalia.com/
公式Twitter:@musical_hetalia
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