蒼井翔太主演『スマイルマーメイド』ゲネプロレポート！

　主演の蒼井さんは、昨年の公演でかぐや姫を演じ、今回は人魚姫の役に挑戦しています。体のラインがはっきり出る衣装にかかわらず、その姿は女性のようでした。また人魚の尾ビレを表現した衣装がはためくさまは、まるで本当に水中にいるよう。さらに、女性的な声で演じているので、観ているうちに男性であることを忘れてしまいました。

　物語の中盤までは天真爛漫でかわいらしいマリナですが、魔女との会話のシーンからは鬼気迫るダークなイメージに一変します。ケントへの恋心ゆえに不安に苛まれる悲痛な声や、徐々に魔女の言葉を信じてしまうマリナから目が離せなくなりますよ。

　そして蒼井さんといえばやはり歌！　マリナの登場シーンではゴンドラに乗り、蒼井さん自身の曲である『Endless Song』を魅力たっぷりに歌い上げ、会場を物語の世界へ引き込みます。またケントと歌う『愛を信じてる』ではしっとりとした歌声、『海の宝物』ではキュートな歌声を披露するなど、さまざまな声の魅力を堪能することができます。

　ケント王子役の荒木宏文さんは、愛犬パブロと一緒に歌う『海へ 帆さばきは最高』で力強く芯のある歌声を披露しています。また物語の中盤、約束した浜辺に現れなかったマリナを想いながら歌う『愛は終わったか』では、切なく弱弱しさすら感じる歌声もギャップがあって素敵でした。


　加藤清史郎さん演じるパプロは、マリナのため、イルカのドーフィンとともに奔走します。シリアスなシーンが多い本作で、舞台を元気に動き回る姿やドーフィンとのコミカルなやりとりは、会場をなごませてくれました。ドーフィンとともにマリナを助けるために走る姿は、思わず応援したくなるはず！　そして物語の終盤、彼はマリナたちのためにある行動に出ます。それがどんな行動なのかは、ぜひ本編を観て確かめてください。


　今作ではコスチュームデザイナー・生澤美子さんが手掛けた衣装にも注目です。登場するキャラクターの多くは海の生き物なので、それぞれをモチーフにした衣装となっています。ドーフィンにはイルカのヒレ、ルカにはサメのヒレなど誰がどの生き物かがわかりやすいのもポイント。また、マリナの人魚のヒレを表現した衣装をはじめ、カサゴがモチーフのジュジュの鮮やかなオレンジ色の衣装など、どれも華やかだったことが印象的でした。

　マリナとケントは愛を貫くことができるのか？　童話の『人魚姫』とは違った物語の結末を、しょーたんの魅惑の演技とともにぜひ劇場で見届けてください。劇場へ行けないという方は、今後発売予定のDVDやBlu-rayでチェックしましょう！

DATA
■It’s SHOWTA-im! vol.2『スマイルマーメイド』

東京公演
公演日程：2016年12月1日（木）～12月5日（月）
公演会場：シアター1010

大阪公演
公演日程：2016年12月10日（土）～12月12日（月）
公演会場：シアター・ドラマシティ

HP：http://smile-mermaid.com/

出演：蒼井翔太、加藤清史郎、原田優一、荒木宏文、宮城紘大、唐橋 充、吉田メタル、秋本奈緒美、木原 丹、羽鳥翔太、福永悠二、大内 唯、庄野早冴子、杉原知佳、鈴木絢香、中根百合香、細谷彩佳、中島史香

STAFF：
構成・演出・振付＝上田 遙
脚本＝上田 遙・須貝 英
音楽＝春日井貴博
音響＝田島誠治（SoundGimmick）
作詞＝鈴木美穂
歌唱指導＝市川祐子
美術＝河内連太
衣裳＝生澤美子
照明＝鈴木健司（ルポ）
舞台監督＝今野健一（キーストーンズ）
演出助手＝中尾知代（蜂寅企画）
ダンスミストレス＝上田はる美
衣裳制作＝市川一美（APPLAUSO EAST INC.）
ウィッグ制作＝【蒼井翔太】富岡克之（スタジオAD）
宣伝美術＝西村恭平（Balloon）
宣伝写真＝松栄憲太（パレード）
票券＝サンライズプロモーション大阪
プロデューサー＝萩原義久（フジテレビジョン）・山田泰彦（サンライズプロモーション大阪）
総合プロデューサー＝黒谷通生（レジェンドステージ）

主催・企画・製作＝スマイルマーメイド製作委員会（フジテレビジョン／サンライズプロモーション大阪／レジェンドステージ）

テーマ曲：『Endless Song』蒼井翔太
作詞＝Mahiro／作曲＝東大路憲太／編曲＝大隅知宇、東大路憲太